新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第12話
エクスカイザー 『この光線は壊れたものも修復する光線だ。これまでのデストリアンの事件においての復興に使ってきた技だ。生命体の治療にも有効なんだ。』
勇 「ほぉー!こいつは便利な技だな!」
唯の怪我が治り、傷や軽い打撲がなくなった。
唯 「ああ!痛くないよぉ!治った、治った!ありがとうエクちゃん!!」
エクスカイザー 『ははは、お安いご用だよ。』
和 「すごいですね!エクスカイザーって!!」
勇 「まぁな。我が家の頼れる家族だ。去年、近所に現れたバケモンも斃してくれたしな!」
和 「ああ!あの時の騒ぎもエクスカイザーが倒してくれたんですか?」
勇 「ああ!おかげであの時は誰も犠牲にならなかった!」
エクスカイザー 『私が君たちの家族か・・・ははは、そう思ってもらえると嬉しい気持ちになるね・・・さぁ、勇達はここに残るんだ!!奴を一刻も早く斃さなければならない!!』
唯 「わかった!ここでまってるから迎えに来てね。エクちゃん!」
エクスカイザー 『ああ。』
向きを変え、再びデストリアンとの戦いに赴くエクスカイザーを勇が引き止める。
勇 「待ってくれ!!俺も行く!!」
エクスカイザー 『なんだって?!それは危険だ!!勇!!』
勇 「いいや・・・危険上等。俺も闘いを間近で見てみてぇ。つーか俺自身がヤツと闘いてぇ。これ以上大事なモンを破壊されるのはガマンならねー。」
唯 「勇兄ちゃん・・・・。」
和 「確かに気持ちは解りますけど・・・その・・・やっぱりエクスカイザーの言うとおり危険だと思います!!」
勇 「和ちゃん・・・・俺、どうしても許せネーんだ。和ちゃんや唯を危険な目に遭わせたあいつが・・・!!!」
和 「勇さん・・・。」
エクスカイザー 『・・・・・・・わかった。一つだけ方法がある。乗るんだ、勇!!』
勇 「オーライッ!!和ちゃん、唯を頼む!じゃ、いいコにして待ってるんだぞー、唯!!」
唯 「もう・・・いつまでも子供じゃないんだからねー。」
和 「まだまだ子供でしょあんたは・・・・。」
唯 「はううー。」
勇 「はは・・・・じゃ、いってくるぜっ!!」
和 (勇さん・・・自ら危険に飛び込まなくても・・・けれどあの人は私達や街の人の為に立ち上がったんだ・・・!!)
ギュガッ!!
勇が乗り込むとエクスカイザーはD‐15に向かって走り出す。
辿り着くと、一部の市街地は瓦礫の山と化していた。その向こうにD‐15が突き進む。
エクスカイザーから降りてソレを睨む勇。
勇 「で?どうするんだ?!エクスカイザー!!」
エクスカイザー 『少し待つんだ・・・・チェンジ!!エクスカイザー!!』
変形直後に腕を空にかざしてキングローダーを召喚するエクスカイザー。
エクスカイザー 『キングローダアアアアァァァッッ!!!』
召喚されたキングローダーが空中でフォームアップモードに変形する。そこへ飛び込むエクスカイザー。
エクスカイザー 『とう!!フォームアップッ!!!』
展開したキングローダーにエクスカイザーが収容されると、新たに現れた頭部の顔にフェイスガードを装備する。両手首が飛び出し、そして胸にライオンの顔が浮かび上がる。
キングエクスカイザーとなったエクスカイザーは、正面で見上げる勇に降り立って叫ぶ。
キングエクスカイザー 『勇!そこに立っているんだ!!』
勇 「おう!!」
胸を張って立つ勇にキングエクスカイザーは、額からスポットライトのような光のエネルギーを照らした。
すると勇は吸い込まれるように浮かび上がっていく。まるでUFOによる誘拐のような感じだ。
勇 「うおお!?これは?!」
キングエクスカイザー 『これから勇と私で融合合体する!!』
勇 「融合合体・・・・!!!」
勇の脳裏に恐怖に怯えていた唯や和、いつも料理を作ってくれている憂、世話になっている彼女達の両親の姿が浮かぶ。かっと目を見開いて気合十分で叫びながらキングエクスカイザーと融合した。
勇 『・・・・おっしゃあっっ!!!』
キングエクスカイザーと融合合体を果たす勇。また1人の勇者がここに爆誕する。
キングエクスカイザー 『融合巨大合体!!キングエクスカイザー!!』
勇はキングエクスカイザーと同化し、ビルから見下ろすような視点に狂喜する。
勇 (うおおお!!スゲーっ!!本当に融合合体しちまいやがった!!!)
キングエクスカイザー (興奮している場合じゃない!くるぞ!!)
こちらに気づいたD‐15が大口を開けて向かってくる。
キングエクスカイザー 『行くぜぇっ!!デストリアン!!』
勇と融合したことによって口調が勇の声になるキングエクスカイザー。
背部のスラスターを点火させてD‐15に突っ込むキングエクスカイザー。巨大なボディーが巨躯を突き飛ばす。
ギュゴッ!! ドォオオオオオォオオオッ・・・・ガギャアアアアンッ!!!
D‐15 「グゴボオオオオッ??!」
倒れこんだD‐15にカイザービームを撃つ。ライオンの目から放たれたビームが皮膚の表面を爆発させた。
キングエクスカイザー 『カイザービームッッ!!』
ビィギュドゥイイィイイイインッ!!!
ズギャドォゴォオオオオオオオオオオンッ!!!
起き上がったD‐15が、キングエクスカイザーに向けて口から破壊光線を放った。
ボズゥヴァアアアアアアアアアアアアアッ!!!
キングエクスカイザー 『何ぃっ?!ぐおおおおおおおおっ!!!』
ズゴォドォグガギャアアアアアアアンッ!!!
直撃を受けるもののキングエクスカイザーはそのボディーに見合った防御力をかね揃えていた。
キングエクスカイザー 『くぅ・・・・・・うお!?!』
フュゥガッ・・・・・ズドォガギャアアンッ!!!
鎌状の手首の一撃がキングエクスカイザーの胸部にヒットする。さらには両腕でキングエクスカイザーのボディーに斬り掛かる。
ズギャドォガシャアアアアアアアアッッ!!!
キングエクスカイザー 『がぁっ・・・??!』
更にそこから両肩を押さえ込んで、D‐15は顎を外してボディーを呑み込むかのように大口を開いて噛み付いてきた。
D‐15 「ボウオオオオオオオオッ!!」
ゴゴゴキンッ・・・ゴカカカッ・・・・ガブゥゥンッッ!!!
キングエクスカイザー 『ぐあああああああああ癖ぇええええ!!!』
おぞましい口臭と噛み付かれた力がキングエクスカイザーを襲う。初めての戦闘故に、勇は上手くキングエクスカイザーとシンクロしきれずにいた。
ズギャガダァアアアンッ!!!
D‐15 「ヴォオオオオオオッ!!!」
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第12話 作家名:Kブレイヴ