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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第14話

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  コンビニフードは蓮がバイト先から只で余りモノを拝借してきたものだった。疑う律。

  蓮 「ちっがーうっ!見ての通り期限は大丈夫だって!失礼しちゃうぜ。」

  律 「これはどうもすいません・・・そんじゃぁ、いただきまーす!」

  パクパクと食べ始める蓮と律。澪と勇士朗もコンビニフードを同じタイミングでほお張る。

  勇士朗&澪 (あ・・・。)

  互いに目と目を合わせる二人。照れくさい気分になった所に蓮と律の突込みが入る。

  蓮 「おおう・・・同じタイミングでほお張った!」

  律 「息が合いますなー、お二人さん!」

  しばらく噛んで飲み込んだ後に二人が反発する。

  澪 「・・・・何言ってるんだ!!別にたまたまだよ!!」

  勇士朗 「蓮もだ!いちいち突っ込むな!」

  蓮と律 「へぇい、へぇい・・・。」

  そういう律と蓮も息がぴったりだった。もちろん反撃しないわけはない。

  澪 「ぷっ!律だって蓮君と息がぴったりじゃないかぁー。それに、揃ってカチューシャつけてるしな!!」

  律 「〜・・・・私達はカチューシャがトレードマークなんだよ!!元々!!」

  蓮 「そ、そうそう!トレードマーク!!そーだ!!カチューシャ同盟結ぼうぜ、律っちゃん!」

  律 「カチューシャ同盟って・・・・なんだそれ?意味あるのか?」

  蓮 「ううー・・・つれねーなー律っちゃんっ!カチューシャをこよなく愛するもの同士・・。」

  律 「あほか!!だいいちそのネーミングダサいしー!!」

  蓮 「うわ、ひでぇっ(しょぼーん・・・。)!!」

  半ば本気で落ち込む蓮。夫婦漫才の勢いで流れるやりとり。言ってることの割に律は嬉しそうにも見える。澪はそんな律の表情を見逃さない。だが、あえて何も突っ込まず、今回の話を切り出した。

  澪 「くすっ・・・そうそう!来週の土曜の一時からなんだけど、私達が市で立ち上げるチャリティーライヴに参加する事になったんだ!」

  勇士朗 「チャリティーライヴ?」

  律 「おっと!そうだっけ!今日、突然の話だったんだけど、市の方が頻繁に巻き起こるハカイジュウ災害で暗くなっている地域に少しでも元気になってもらおうと、市内のバンドグループや軽音部が集まってライヴやろうって話が来たんだよ。」

  勇士朗と蓮はこのことを聞いて直ぐにがっついた。

  蓮 「へぇーっ!!」

  勇士朗 「それじゃぁ、秋山さんの演奏、また聞けるんだな!」

  澪は恥ずかしそうに勇士朗に言った。

  澪 「そ、それで・・・勇士朗君達にも見に来てほしいんだ・・・そ、その日は予定無い?」

  勇士朗 「俺達は大丈夫だけど・・・蓮はバイトか?」

  蓮 「まぁ・・・何とか別の日にさせてもらおっかなー。俺も見にいきてーしっ!」

  勇士朗 「よっし・・・じゃぁ、決まりだっ!光や俊達にも伝えておくよ!」

  澪 「そっか!ありがとう!場所は市民文化センターで開催される予定になってるからちょっと遠くて来るの大変かもしれないけど。」

  勇士朗 「そのくらい大丈夫!それに遠い分、帰りに色々寄り道できるし!」

    澪 「それもそうだね・・・それじゃ、チャリティーライヴ楽しみにしてて!私達も会場でまってるから!それで話は変わるんだけど・・・。」

  勇士朗 「何?」

  澪は夕日の方へ顔を向けた。一瞬吹く風が、彼女の長い髪をなびかせる。

  澪 「夕日のある風景っていいよね。この夕方っていう一時でしか見られない光景。いつも歌詞が浮かびそうで浮かばないんだけど・・・。」

  勇士朗 「夕日か・・・。」

  勇士朗は何故か夕日に照らされる澪の姿に哀愁を感じた。川原に座って夕日を眺めるみんなの姿があたかも「明日」を待ち望んでいるように見えたのだ。その「明日」とは昨日・今日・明日という意味ではなく、デストリアンのいない平和な未来のコトを指す。

  勇士朗 (なんだか、こうしている3人の姿に哀愁感じちゃうな。まるで平和な日々を待ち望んでいるかのように見えちまう・・・。)




  当日。会場は市内から多くの人が市民文化センターに集まった。市内で活動しているバンドや、市内の各高校の軽音部のグループが集まった。

  会場内の客席に勇士朗達の姿も見えた。勇士朗、光、蓮、俊の全員がお洒落をキメて来ていた。

  光 「思った以上に人来てるなー!!すげー人だ!!」

  俊 「それだけ、市民が心の癒し所、励まし所を求めているのさ・・・。」

  蓮 「ま、その為のチャリティーライヴだからなー。」

  勇士朗 「秋山さん達、こんな大人数の中のライヴなんて初めてじゃないかな??」

  光 「そう言えばそうだよなー。確か学校でのライヴ活動しかやったことないって前に言ってたからな。きっと唯ちゃん、テンション上がってるんだろうなー。」

  勇士朗 「俺は、逆に心配な気分・・・秋山さん、極度の恥ずかしがりやって言ってたからさ。」

  蓮 「大丈夫なんじゃないの?結局はライヴで歌えてるじゃん!それよりもだ!!こんな時にハカイジュウ災害が起こったりしないかそっちの方が不安だぜ!!」

  蓮の言っていることも確かだった。地底、もしくは隕石に偽装(?)して宇宙から襲来するハカイジュウは、時と場所を選ばずに容赦なく襲い掛かってくるのだ。

  俊 「いくら、ジェイデッカーやマイトガインが出動したとしても、その間に必ずタイムラグが出ちまうからな・・・その時は、勇士朗。お前が頼りなんだぜ・・・。」

  勇士朗 「ああ・・・もちろんさ。それが起こったら全力でみんなを守るさ!!」

  控え室では澪達が気合十分でスタンバイしていた。案の定、澪は緊張しているようだ。

  澪 「・・・・帰る・・・。」

  律 「なーに今更言ってるんだよ!勇士朗君達も見に来てくれてるんだぜー?」

  紬 「そーよ!澪ちゃん!逃げちゃだめよ!それに私達は街の人たちに少しでも音楽を届けて、嫌な気持ちを少しでも無くしてあげよーって事で参加してるんだから!」

  梓 「自身持ってください!勇士朗さん達も楽しみにしてくれてるはずです!ねぇ、唯先輩?」

  唯 「そーだよ、澪ちゃん!!カレーじゃなくてパフェパワーだよ!!」

  梓 「意味が解りませんよ・・・。」

  律 「唯、お前の頭の中はお菓子しかないのか?」

  唯 「そーだよりっちゃん!!私は常にパフェパーチーなんだよっ!!」

  さわ子 「なんならここでティータイムやっちゃう?」

  律 「おわあああ??!さわちゃんいたのか?!!」

  さわ子 「今来た所!ちょっと途中で渋滞に巻き込まれちゃって。さぁ、ムギちゃん!ティータイムの容易よ!」

  紬 「はい!」

  律 「ホントにティータイムおっ始めたよ・・・。」

  控え室でも持参したティーセットでティータイムするメンバー。ふと律が唯の背後に視線を伸ばすと律にとって懐かしい顔が飛び込んできた。

  律 「あああ?!マキちゃんじゃーん!!」