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AREA4『戦闘』

その頃、のび太と聖奈と燐は、元来た道を戻っていた。今は丁度、『管理人仮眠室』の曲がり角を右に曲がった所だった。
「・・・・・・で、何か進展はあったの？」
のび太が不意に聖奈にそう訊いた。すると、聖奈は応える。
「見つかったのは、この鍵と、t-ウィルスサンプルですね」
聖奈はそう言いながら、先程見つけた鍵と『t-ウィルスサンプル』を懐から取り出した。
「これは、一体何処で？」
のび太がそう尋ねると、聖奈は応える。
「そこの、『管理人仮眠室』を探索中に見つけました」
聖奈は、すぐ傍にある、『管理人仮眠室』を指差しながらそう言った。のび太は、聖奈が持っていた鍵を借り、暫くその鍵を眺めていた。その鍵は、何の変哲もない金属製の鍵であり、その鍵には何も書かれていなかった。のび太はその鍵を聖奈に返すと、再び『ベレッタM92FS』を構えた。三人は、周囲を警戒しながら、前に進んで行った。100m以上もある長い廊下を半分ぐらい進んだ所で、のび太が異常に気づいた。
「聖奈さん、燐さん。気をつけて下さい。向こうから何かが来ます」
のび太がそう言うと、燐がのび太に言う。
「生物兵器か！？」
燐がそう言うと、のび太が応える。
「生物兵器かどうかの確信はありませんが、微かに聞こえる足音は人間のものではない気がします。スピードは小走り位だと思います」
のび太がそう言うと、燐と聖奈の二人もそれぞれ、銃を構えた。燐は『H&K Mk.23』を構え、聖奈は『グロック17』を構えた。

やがて、闇の中から"そいつ"は姿を現した。
「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！」
闇の中から現れた"そいつ"は、奇声を挙げながら、のび太に飛び掛かってきた。のび太は素早く後ろに跳び退き、それを回避した。そこで初めて、三人は、闇の中から向かってきた"そいつ"の姿を見る事が出来た。"そいつ"は、全体的に黒い身体をしており、腕の先には、鎌の様な鋭い爪が付いており、地下水路の唯一の光源である、淡い光を放つ電灯の光を反射し、銀色に光っていた。
「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！」
その生物兵器は再び雄叫びを挙げると、のび太達に再び向かってきた。のび太は、『ベレッタM92FS』の銃口をその生物兵器に向け、3発撃った。しかし、その生物兵器は素早く飛び跳ね、銃弾を回避した。そして、その生物兵器は、天井に張り付き、のび太に向かって、爪を立てながら、落下してきた。
「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！」
のび太は、姿勢を低くし、その生物兵器の懐に入り込み、爪の攻撃を回避した直後に、その生物兵器の腹部を蹴り上げた。
「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！」
想定外の反撃に驚いたその生物兵器は、奇声を発して、体勢を崩した。のび太はすかさず、左腿のホルスターに掛けていた、もう一挺の『ベレッタM92FS』を取り出し、両手で、二挺の『ベレッタM92FS』を連射した。
「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！」
凡そ10発程の『9mmパラベラム弾』が、その生物兵器に直撃し、その生物兵器は、断末魔の悲鳴を挙げて倒れた。
のび太は、その生物兵器が動かなくなったのを確認すると、一息を付こうとしたが、それもつかの間、
「「「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！」」」
いきなり、闇の向こうから、三体分の奇声が聞こえた。そして、それからすぐに、先程の様な生物兵器が三体向かって来るのが見えた。すると、燐が叫んだ。
「一旦退くぞ！『管理人仮眠室』に入るぞ！」
燐がそう言うと、三人は、『管理人仮眠室』に向かった。聖奈と燐は、急いで『管理人仮眠室』に向かい、のび太は、三体の生物兵器に銃撃して、牽制しながら、『管理人仮眠室』に向かって後退していった。


やがて、のび太は『管理人仮眠室』の扉の前まで来ていた。のび太は隙を見計らって、扉の中に入った。そして、のび太が入ってすぐに、扉が閉まった。部屋の中にはすでに燐と聖奈がいた。のび太はすかさず、部屋の中にあったデスクを持ち上げ、扉の所に置いて、バリケードにした。そして、のび太は燐と聖奈に言う。
「奴らが入って来たら、一斉射撃だ。そうすれば、あの生物兵器もひとたまりもないだろう」
のび太がそう言うと、聖奈は『ステアーTMP』を構え、燐は、聖奈から、『H&K UMP』を借りて、扉の方に銃口を向けた。のび太は、二挺の『ベレッタM92FS』の弾倉に弾薬を装填し、扉の方に構えた。すると、あの生物兵器が扉を破壊しようとする音が聞こえてきた。




やがて、扉が大きな音を立てて、崩れた。すると、聖奈と燐とのび太は一斉射撃を行った。
「「「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！」」」
三体のその生物兵器は、多数の『9mmパラベラム弾』を受けて、悲鳴を挙げた。そのまま倒れると思われたが、三体の生物兵器の中の一体が部屋に跳び込んできた。そして、のび太に向かって来た。のび太はその生物兵器の懐に飛び込んだ。向かってきたその生物兵器の爪は、空を切り、床にぶつかった。すぐさまその生物兵器は反転し、再びのび太に向かって来た。のび太は身を屈め、その生物兵器の攻撃を避けた。その生物兵器は、のび太の後ろにあった本棚に激突し、本棚が破壊された。その途端、その生物兵器が体勢を崩した。のび太はその隙を見逃さなかった。両手に装備していた二挺の『ベレッタM92FS』を上に放り投げ、バックパックから、『レミントンM870』を取り出した。そして、体勢を崩しているその生物兵器に向けて発砲した。
「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！」
多数のペレット弾が命中したその生物兵器は、悲鳴を挙げた。のび太は『レミントンM870』を背中のホルスターに仕舞い、先程上に投げた二挺の『ベレッタM92FS』を掴み、その生物兵器に向かって連射した。
「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA！！！！！」
数十発の『9mmパラベラム弾』が、その生物兵器に直撃し、その生物兵器は、断末魔の悲鳴を挙げて倒れた。のび太は、その生物兵器が動かない事を確認すると、『ベレッタM92FS』の弾倉に弾薬を装填した。そして、再び、その生物兵器をよく見た。
「・・・この黒い体躯に、鋭い鎌状の両手、この生物兵器は、ススキヶ原研究所の動力室にいた『キメラ』に似てるけど、ちょっと違う感じがするな。動力室にいた奴はこんなに迅くはなかった」
のび太はそう呟くと、燐は言う。
「・・・もしかしたら、『ナムオアダフモ機関』が改良したモデルかもしれないな」
燐がそう言うと、聖奈が言う。
「・・・そろそろこの部屋から出ませんか？」
聖奈がそう言うと、燐は
「そうだな」