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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第17話

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  さわ子 「いいのよ〜、気にしないで!向こうからこっちまで来てまた戻るんだからさ。やっぱり警察の仕事は大変なの?」

  要 「まぁね。特にうちの部署は最近また現れ始めたデストリアンの事後処理任務でで忙しかったからな。だが、他の部署とは違ってロボットの部下が残業の処理をしてくれるからこうして時間を作ることができた。」

  さわ子 「へえ・・・それって以前学校が襲われた翌日に来ていたあのロボットですか?」

  要 「ああ。あいつ達はレイバーズっていう超AIを搭載しているロボット達だ。忠実に任務をこなしてくれている。」

  さわ子 「超AI?」

  要 「ロボットに搭載された自立思考回路のことさ。心を持っているロボットと思ってくれればいい。」

  さわ子 「すごいなぁ・・・そうだ!今日、クッキーも作ってきたのよ!」

  要 「本当に?!ははは、ありがとう!」

  さわ子はバックをゴソゴソとしながらクッキーを取り出そうとする。だが、クッキーがない。

  さわ子 「・・・・あれ?・・・・あ!!ごめんなさい!!学校に忘れてきちゃった!!」

  要 「そうか・・・それじゃあ、学校まで行こう!確か桜ヶ丘高校だったよね?」

  さわ子 「え?いいんですか?!」

  要 「うん!さわ子さんのクッキー、是非食べてみたいから!」

  さわ子 (あ〜・・・何ていい人っ!!!)  




  勇士朗の自宅。ベットの上に寝転がって澪とメールのやりとりしていた。

  勇士朗 「え・・・・マジかよ・・・。」

  メールの内容はやや深刻な内容だった。

  「誰にも言ってなかったんだけど・・・・私ストーカーにつけられているみたいなんだ(>―<)今、部活の帰りで律といるんだけど、後ろの方から誰かついてくるんだよ。こわいよ(T―T)もしよかったら駅のところまで来て欲しい・・・。」

  勇士朗 「いくしかねぇっ!!」

  ストーカー。内容からしてほっとけない。すぐさまに勇士朗ばっと飛び起きて、自転車に乗って全力で相模大野駅の方に向かった。

  勇士朗 「ファイバードが宇宙警備なら、俺自身はせめて秋山さんをストーカーから警備してやるぜ!!」

  そのときファイバードの意思が語りかけてきた。

  ファイバード (勇士朗、ストーカーとはなんだ?)

  勇士朗 (ファイバード!ストーカーってのは好きになった特定の人に付きまとう犯罪行為なんだ。)

  ファイバード (人を好きになるのはいい事ではないのか?)

  勇士朗 (行過ぎた恋の感情は時として人を歪ませてしまうこともあるんだ。最悪の場合、殺人事件に発展しかねない!!)

  ファイバード (殺人・・・・この星の人々は何故同じ種族を殺すのだろうか・・・?!)

  勇士朗 (それは人類の永遠の課題かもな・・・・。)

  ファイバード (・・・・・。)

  澪と律は止まっては歩き、止まっては歩いてみる。同時に背後の人影も歩き出しては止まったりしていた。

  律 「やっぱり本当にストーカーみたいだぞ・・・。」

  澪 「ああ・・・・。」

  律 「私とわざと分かれてみようか?」

  澪 「ばか!!そんな無謀な事なんかできるか!!」

  律 「だよな・・・とりあえず駅まで歩くか。」

  澪 「ああ・・・・・。」

  幸いにも今いる場所は車通りも多く、安全といえば安全な状況だ。だがそれから間も無くして場所をかまわず不審な男が強行的な犯罪行為に出た。

  不審な男 「はぁ・・・はぁ・・・おおおおああああああああ!!」

  澪 「えええ!??何!!?」

  律 「いよいよ狂ったかぁ?!!」

  一斉に駆け出す澪と律。だが、焦る余りに道の段差に足をとられて澪は転んでしまう。

  澪 「あうっ・・・!!」

    ドサァッ!

  律 「澪っ!!っ・・・なに転んでるんだよぉっ・・・!!」

  幸いにもエリザベスは無事だった。律が連れ戻そうと戻るが、ある意味で時は既に遅かった。

  不審な男 「おあああああ!!もうがまんできないんだよおおおお!!!」

  澪 「いっ・・・いやああっ・・・!!!やめ・・・・っ!!!」

  公衆面前で堂々と不審な男はうつ伏せに倒れてしまっていた澪に抱きつき、背後から澪の胸を激しく揉む。更にはスカートの中にまで手を突っ込んだ。

  不審な男 「はぁ、はァ・・・き、きみに触れたかったんだ!!!キミにフレタカッタンダァああああ・・・はァはァ・・・!!!」

  澪 「〜・・・・っ!!!」

  歩行者がざわめく。狂ったように体をまさぐられる澪は様々な意味で心身が傷ついていく。涙がきゅっと瞑られたまぶたに浮かぶ。

  澪 (勇士朗君・・・・助けてっ・・・!!!)

  更に不審な男はナイフを取り出す。蹴りかかろうとした律だが、その行為に何も出来なくなってしまう。

  律 「ヤロウっ・・・!!!」

  不審な男 「警察呼ぶなよ!!呼んだらこの子と心中するからな!!!呼ぶんじゃねーゾ!!!」

  既に男の手には刃渡り15センチのナイフが握られている。振り回しては「澪と心中する」と周囲の人々に脅迫する。一気にやばい空気が流れる中、勇士朗が駆けつけた。

  歩行者達がざわざわとしている。勇士朗に嫌な予感が過ぎる。

  不審な男 「あああああああ!!すきなんだよおおお!!!」

  不審な男が澪に抱きつき、わーわー言っていた。勇士朗は手を出そうにも出せず立ち尽くす一人のサラリーマンに問う。

  勇士朗 「いったいなにがあったんです?!」

  サラリーマンA 「今、イカレタ男が女子高生に襲いかかってね・・・ナイフもって人質にしてしまっているんだ・・・助けようにも下手に手が出せない!!!」

  よくみると澪がうつ伏せのまま襲われていた。怒りに満ちた勇士朗は、冷静さを繋ぎとめながら男の背後に向かって気づかれないように歩く。

  サラリーマンB 「ん?お、おい、キミ!??」

  不審な男 「キミはぼくのものだ・・・・ヒヒヒヒ・・・・ひっっ?!!」

  もの凄い力で襟を引っ張り上げられる不審な男。勇士朗が渾身の怒りを込めて後ろへ放り投げる。

    ずだぁああんっ!!!

  勇士朗の勇敢な行動に周囲がわっとなった。もはや勇士朗は一触即発といったところか。

  勇士朗 「・・・・・一番やっちゃイケねーコトしやがったな・・・。」

  不審な男 「ぐっ・・・おああああああああ!!!」

  ナイフを突き出して突っ込む不審な男。勇士朗は威風堂々と迎え撃つ。

  勇士朗 「・・・っのやらぁああああああっっ!!!」

    グバキャアアアアッ!!!

  不審な男 「ごぐぅぇっっ?!!」

  くあっっと目を見開いた勇士朗は、ファイバードの力を10%に止めて、重い一発のパンチをブチかます。不審な男の頬に思いっきりパンチが入った。

  吹っ飛んで歩道をゴロゴロと転がってスライドしながら不審な男は倒れこむ。

  そこへ偶然にも現場に居合わせた要がクルマを止める。