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はろ☆どき
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novelistID. 27279
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桜舞う、夢に舞う

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仕事の忙しさに紛れながらぼんやりと過ごしているうちにあっという間に時も過ぎていった。
数日前からようやく春らしい陽気になり、途端に草木が一気に綻び始めた。

最近早朝の通勤はちょっと遠回りして桜並木を歩く。
枝に透けていた空が段々と白く淡く霞んでいく様を見るのは綺麗だしなんだか嬉しい。
一方で、満開になったらあっという間に散ってしまうのだと思うと、今から何故だか切ない気持ちになった。

先のことを考えて悲観的になるのは悪い癖だ。
がむしゃらに赤い石を求めていた頃にはなかった・・・いやほんとは先の見えない旅路に何度も挫けそうになったけど、アルの為だったからがんばれたんだ。
それに厳しいけど見守ってくれてる人達もいた。だから未来を信じることができた。
それなのに今は…自分の未来には自信が持てなくて。差し伸べてくれる手があったにも関わらず自分から離してしまった。

別れは自分から切り出した。
ロイと共にいるのは温かくて安心で居心地がよかったけど、きっとずっとこのままではいられないんだと考えたら。それがいつか壊れてしまうのが怖くて。
きっと耐えることができないと思ったから。今ならまだ大丈夫だと思ったから。
だからもう離れたいと自分から言ったんだ。

ロイは理由を問い質すでもなく、静かにそれを受け入れてくれた。
きっと言い出したら聞かない自分のことをわかってたから、かき乱さずにいてくれたんだろう。
なんだかんだ言って優しくて甘い大人は、そうして自分の側からそっと離れていった。


作品名:桜舞う、夢に舞う 作家名:はろ☆どき