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PN悠祐希
PN悠祐希
novelistID. 37045
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魔法少女おりこ★マギカR

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■ 第2話 追憶…美国・織莉子 ■



 そして、ここで、話しは戻るのだが…
 美国・織莉子は、私が繰り返してきた時間軸において、たった一回だけ出会った魔法少女だ。

 彼女の能力は、詳しくは判らなかったが、その言葉から察するに、未来を予知することができたようだ。
 美国・織莉子は、その能力で、まどかが、最悪の魔女となってしまうと予知し、それを防ごうと考えた。
 その方法は…魔法少女となる前の まどかを、殺すこと。
 美国・織莉子は、キュゥべぇに、適任者として別の少女の存在を教えたり、パートナーの黒い魔法少女に、魔法少女狩りを行わせることで事態を混乱させ、まどかの存在を知られないようにと画策した。
誰にも邪魔させずに…まどかを殺す為に…
 その根底にある想いは、まどかの魔女化を阻止し、世界を救うことにあったようだ。
しかし、当然のことながら、まどかを守りたい私と利害が一致することはなく、私達は、互いの想いをぶつけ合うように戦った。
織莉子と、彼女のパートナーは、本当に強かった。
 それでも、魔法少女狩りの主犯を討つという理由でキュゥべぇに召集された、巴・マミ、佐倉・杏子、そして、やはりこの時間軸でしか見たことのない千歳・ゆまという幼い魔法少女の協力を得られたことにより、私は、美国・織莉子のソウルジェムを打ち砕くことに成功した。
 勝った…まどかを守りきった…そう思った瞬間、力尽きる寸前の美国・織莉子が放った一撃が、その場に居合わせてしまった まどかを直撃した。
 まどかは、即死…美国・織莉子は、その目的を達成して、自らも死んでいった。
 私としては、絶対に許せることではないのだが…彼女は、間違いなく、世界を守った。

 その事象は、私が時間を戻してしまったことで、なかったことになってはいるが…

 実は、世界が再編する前の、最後の時間軸において…
 私は、対ワルプルギスの夜戦の為の打ち合わせを…ということで家に招いた佐倉・杏子から、見滝原を除く近隣の街で、魔法少女が、『黒い魔法少女』に殺されるという事件が多発していることを聞いていた。
 佐倉・杏子は、はじめは、黒い髪というだけで、私に疑いを持ったようだけど…
 私は、その話しを聞いて、真っ先に、美国・織莉子と、共にいた黒い魔法少女を思い出した。
 また、まどかを狙ってくるかも…とも考えた。
 しかし、もしも、彼女が、すでに魔法少女になっていて、かつての時間軸と同じ能力を持っていたとしたら、例え討って出ようにも、こちらの行動は予知され、事前に逃げられてしまうはずだ。もはや、向こうから討って出てくるまでは、出会うこともままならないだろう。
 私は、できるだけ まどかの側にいることで、何者からであっても絶対に守り抜くこうと、意識をあらためた。
 逆に言えば、私達に、直接、危害を及ぼすことがない限り、その件に関わろうとすら考えなかった。
 この時の私は、『まどかを魔法少女にさせずに、ワルプルギスの夜を倒す』ということしか頭になかった。

 結局、美国・織莉子は、私達の前には、姿を現すことなく、ワルプルギスの夜との決戦を迎え、世界は再編されたのだが…

       * *

 今、この再編された新たな世界で…
 鹿目・まどかに似た少女が、よりにもよって、一度は、まどかを殺したことがある美国・織莉子と一緒にいる…
 頭が、混乱しそうだった。
「違う…まどかじゃない…まどかであるはずがない…」
 ほむらは、自分に言い聞かせようと、必死に、そう口の中で繰り返した。
 実際に、まどかが、この世界にいるはずはないのだ。

 その時…ピンク髪の人物の方を向いた為に、片側半分程が、ほむらから見えるようになっていた織莉子の顔…その瞳が、『チラ』っと、ほむらの方に向けられた。

「…!」
 三人を見つめていた ほむらと、視線が合った。

 もっとも、それだけであれば、あくまでも偶然の事と考えられる。なぜなら、ほむらは織莉子を知っていても、織莉子は、通う学校も違う ほむらのことなど、知るはずはないのだから。
 ところが…織莉子は、ジッと ほむらと視線を合わせたままでいた。そして、『ニコ』っと笑みを浮かべた。あきらかに、ほむらに向けられた笑みだった。

…なっ!…

 すると、織莉子は、ほむらから視線をはずし、ピンク髪の少女を促すように、軽く背中に手を触れた。三人は、そのまま、通りの角を曲がって行ってしまった。

 ほむらは、呆然としながら、その三人を見送っていた。
…どういうことなの?…
 自分に対して、微笑みかけた、織莉子の態度…
 なにより、共にいた、ピンク髪の少女…
 それが、頭の中を、グルグルと回っている。
わけが解らない。
 気が付くと、ほむらは、三人の後を追っていた。

 その間に、少しは考えをまとめてみる…
…一緒にいる、あの子も気になるけど…
…あの視線…織莉子は、私のことを知っている…
…それだけじゃない…あきらかに私に向けた笑顔…アレは、私を誘っているように感じた…
…罠?…いいえ、そんな事を仕掛けてくる理由はないはずだけど…
…ここは、誘いにのって、アイツのでかたを窺うしかないわね…
…そうすれば、アイツの意図も、まどかに似た子のことも、ハッキリとするはずだから…

 織莉子達は、ある家の敷地に入っていった。

 ほむらも、その敷地を囲う壁まで、いっきに駆け寄った。そこは、この辺り一帯の他の家とは比べ物にならないくらの豪邸だった。表札は『美国』。間違いなく、織莉子の家だ。
 だが、それ以上に、気になる事がある…
「これ…どういうこと?」
 ほむらが、身を隠すように駆け寄った壁の至る所に、落書きで埋め尽くされている…

『税金ドロボー』『出ていけ』『死ね』

「どういう事なの?…税金ドロボーって…アイツの親か誰かが、何か、しでかした?」
 ほむらは、そんなことを口にしていた。
そして、おぼろげながらも、テレビで見た、あるニュースを思い出した…

『…××党、美国・久臣議員が、自宅で首を吊っているのが発見されました…』
『…美国議員には、以前から経費などの改竄による不正疑惑があり、警察は、追及を逃れての自殺の可能性が高いと…』

「…税金ドロボー…ってことは、ここが、その自殺した美国議員の家で間違いはなさそうね。それで、美国・織莉子は、その美国議員の娘か…」
 おそらく、世間に、美国議員の不正が発覚したのは、彼の自殺の後に流れたニュースによってであり、そうなると、この落書き…世間の非難は、議員本人にではなく、残された家族…つまり、織莉子や母親に向けられたモノに他ならない。
 ほむらは、織莉子のこと…名前こそ知っていたが、それ以外の何も知らなかった。
自分の目的の邪魔になる者は、誰であろうと排除しようと考えていた。相手の事情など、知ったことではない。少し前までは、そんなふうに考えていた。
だが、今は、少なからず事情が違う。
本人の罪ではないことで、他人から非難の目にさらされていると思しき織莉子が、少し気の毒に思えた。
そのようなことを考えつつ、ほむらは、美国の屋敷の門から、敷地の中へと入っていった。
 そこで、見滝原中学の制服から、魔法少女としての戦闘スタイルへと変身する。