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Secret Operations

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PHASE01 Genocide【大量虐殺】 ACT1『Defense base』


出木杉は、『FN ファイブセブン』の調整をしながら考えていた。
(……どうにかして此処を抜け出して、のび太君の家に行かなければ、最悪の事態もあり得る。安雄君とはる夫君はともかく、警官達が一番厄介だ。……さて、どの方法でいこうか………。)
 そう考えていると、この部屋に一人だけいるSAT隊員が僕達に近づいてきて話しかけてきた。
「君達、大丈夫かい?」
 そう言ったのは、やや前髪が長めの男だった。
「ええ、いきなりこんな状況になって、混乱はしていますが、冷静なつもりです。」
 僕は、淡々と答えた。すると、その人は言う。
「最近の子供は強いな。俺の名は安藤雅義(あんどうまさよし)だ。よろしくな。」
 その人が名を名乗ったので僕も簡単な自己紹介をする。
「初めまして。僕は、出木杉英才といいます。」
 僕がそう言うと、安雄君とはる夫君も名を名乗った。一通り自己紹介が終わると、安藤さんが言う。
「現在は、警察でも状況が把握出来ていない状況だ。どんな細かい情報でもかまわない。何かあったら言ってくれ。」
 安藤さんがそう言うと、僕は丁寧に言う。
「残念ですけど、僕達もあまり知らないです。」
 僕がそう答えると、安藤さんは言う。
「そうか。…何か解ったら言ってくれ。情報は多い方がいいからな。こんな状況だから、協力しなければ、生き残れないだろう。」
 安藤さんがそう言うと、僕は、最初から気になっている事を尋ねた。
「ちょっと訊きたいんですが、僕達以外の避難民、一般市民は、何処に避難しているんですか。」
 僕がそう尋ねると、安藤さんはすぐに答えた。
「確か、体育館と、幾つかの一般教室が避難場所に割り当ててあった筈だ。ちょっと待っててくれ、それに関する作戦資料を持ってくる。」
 安藤さんはそう言うと、警察官が集まっている所に向かい、その傍のテーブルに並べてある資料の束を丁寧に掻き分けていた。恐らくその資料が、作戦資料なのだろう。一般人にも見せてもいいのかは解らないけど。暫くすると、安藤さんが戻ってきた。
「この資料によると、1階から4階までの24室ある一般教室の中で、8つの一般教室と体育館が避難所に割り当てられているらしい。」
 安藤さんがそう言うと、僕は言う。
「それで、警官隊はどの辺りに配備されているんですか?」
 僕がそう尋ねると、安藤さんは喋る。
「確か、避難所に割り当ててある教室と、体育館に何人かの警察官が配備されていて、裏口や階段等に、SATや自衛隊員が配備されていた筈だ。」
 安藤さんがそう言うと、僕は応える。
「じゃあ、今までに交戦した事は?」
 僕がそう言うと、安藤さんは答えた。
「この学校を確保する時に化け物を無力化し、あとは、窓から這い出てきた奴を殲滅したな。」
 安藤さんがそう言うと、僕は再び尋ねる。
「無力化って事は、射殺をしたんですか?」
 すると、安藤さんはすぐに答えた。
「最初の内は、警告をしていたが、それを無視していたんで、銃弾を足に撃ち込んだ。しかしそれでも動いたから、銃弾を更に撃ち込んだんだ。それを繰り返すうち、奴等の動きは停止した。その結果、奴等の頭部に弾丸を撃ち込めば、一発で無力化出来る事が判った。」
 安藤さんがそう答えたので僕も言う。
「僕の場合は、出会った警察官が、頭を狙って撃て。と言ってました。」
 僕がそう言うと、安藤さんは言った。
「そうか、なんにせよ、今が前代未聞の緊急事態である事は確実だな。お互い生きて帰ろうぜ。」
 安藤さんはそう言いながら、右手を差し出してきた。僕はそれに応え、右手を差し出して、握手をした。安藤さんは続けて、安雄君とはる夫君にも、握手を交わした。握手を終えると、安藤さんが言う。
「何かあったら、何でも言っていいぞ。相談は受け付けるからな。」
 安藤さんはそう言うと、多数の警官が居る所へ向かった。すると、安雄君が呟いた。
「あの安藤っていうSAT隊員。さっきの警官とは違って、感じが良さそうな人だったな。」
 安雄君がそう言ったので僕も言う。
「僕達が子供だという事で、いろいろと配慮してくれているんだろう。なんにせよ、こういう状況で、気兼ねなしに話せる人がいると心強いよ。」
 僕はそう言うと、再び、自分の思考に戻った。
―――――――――――この状況で周囲にも配慮が行き届いているとは、無能な警察の中にも逸材がいるみたいだね。……それにしても、此処を抜け出す方法が見つからないな。さっき、のび太君の家の辺りのゾンビを粗方片付けたとはいえ、これから数時間も何もしないでいれば、ゾンビが徘徊する事だろう。すぐに行かなくてもいいけど、1時間以上間を空けるとまずい。………一騒ぎ起きれば楽なんだけどね。でも、そんなにうまくはいかないな。……………ここら辺の警備状況でも調べるか。
すると僕は立ち上がり、安藤さんがいる所へ向かった。そして、安藤さんに話し掛けた。
「ちょっと、トイレ行ってきてもいいですかね?」
 僕がそう言うと、安藤さんは徐(おもむろ)に言う。
「判った、俺も着いていく。トイレで何かあったらまずいからな。そっちの安雄とか言うのはトイレに行かなくていいのか?」
 安藤さんがそう言うと、安雄とはる夫は首を横に振り、否定の意を示した。すると、安藤さんはこちらに向き直り、話し掛けてきた。
「よし、じゃあ俺達だけで行くか。」
 安藤さんがそう言うと、僕と安藤さんは美術室を出て、男子トイレに向かった。………勿論、トイレに行きたかった訳じゃない。これを口実にして、ここら辺の警備状況を調べる為だ。見た所、廊下には、階段に数人の警官が立っているだけで、その他の人物は見えない。恐らくは、他の教室にもいるんだろう。脱出は微妙なところだな。
そう考えていると、男子トイレの前まで来た。そして僕は、男子トイレの中に入った。すると、安藤さんも着いてきた。
「……トイレの中まで着いて来なくてもいいんですけど。」
 僕がそう言うと、安藤さんは言う。
「そんな素っ気無い事を言うなよ。実を言うと、俺も小便がしたかったんだ。一人で行くとなると、言い辛くてな。今まで我慢していたんだ。」
 安藤さんは、そう言った。一瞬、僕を一人にさせない為の配慮かと思ったが、本当に用を足し始めた。………僕がトイレに行く事を言わなかったら、どうするつもりだったんだろう?まぁ、いい大人が一人で便所行きたいって言っても、この状況じゃ、「空気読めよ」って言われるのがオチだと思うけどね。まぁ、それでも、トイレに行けないって事はなさそうだけど。………それにしても、この状態じゃ、かえって抜け出せなくなったな。まぁ、僕がサポートしなくても、彼なら何とか生き残れそうだけど、万が一という場合がある。
そう考えていると、やがて、安藤さんが言う。
「用も足したし、そろそろ戻るか。」
 安藤さんがそう言うと、僕は安藤さんと共に美術室に戻った。美術室はさっきと変わらない空気だった。安藤さんは、警察官が集まっているところへと戻っていった。僕は、安雄君とはる夫君がいる場所に向かった。すると、安雄君が言う。
「出木杉、お前ずっとトイレ我慢してたのかよ?」
作品名:Secret Operations 作家名:MONDOERA