新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第27話
澪が珍しく、先頭に立って一同を避難させる。同時に周囲の市民たちも急いで逃げ始める。
その中、走って逃げるサラリーマンが、梓にぶつかりながら走り去っていった。
どんっ!
梓 「あうっ!」
ばしゃっ!
倒れた拍子に、水溜りに倒れてしまう。俊が急いで水浸しになってしまった梓を起こした。サラリーマンの男に憤りを覚えてしまう。
俊 「おい、大丈夫か?!まったく・・・あのリーマン野郎・・・なんてコトしやがる!!」
梓 「私は大丈夫ですよ・・・・。」
俊 「でもよ・・・ずぶ濡れじゃねーかっ。さっきせっかく拭いたのによ・・・。」
唯 「あずにゃん、これで今朝の私といっしょだねー。」
梓は、ずれた唯の発言にツインテールを逆立てて突っ込む。
梓 「そーいう問題じゃないですよ!もー!」
俊がタオルを取り出して梓に手渡す。俊のこの行動に梓は胸にきゅんとした感覚を覚えた。
俊 「とりあえずまたこれでふいて!今は安全なところへ行こうぜ!」
梓 「あ・・・はい(俊さん、優しい・・・)!」
雨の中、戦闘状態となるファイバードを見つめる律。腕まで組んで見ていた。
律 「弟がみてたらさぞ大喜びだろうなぁ・・・こりゃ。」
蓮 「なーにのんきな事言ってんだ!行くぜ!!」
律 「あー、はいはい!」
律はこのシチュエーションに慣れてきたのか、若干余裕を持ってきたようだ。
光 「さぁ、いこうぜ、唯ちゃんっっ!!!」
唯 「ふえ?!う、うんっ!!」
光 (頼んだぜ・・・勇士朗!!)
光が唯の手を握って、ファイバードに振り返りながら走る。それを確認したファイバードは、BLW‐05に再度パンチを繰り出す。
ファイバード 『よし!みんな逃げたか!!さぁ、いくぜ!!カエルもどき!!!』
グアッ・・・・ドゴォガアアアンッ!!
BLW‐05 「グゲアアアッ!!」
踏み込んで頬に鋼の拳を叩き込む。後方に突き飛ばされるBLW‐05。だが、大口を開けて、長い舌でパンチのように攻撃を仕掛ける。
ビュグドォアッ!!
ドォゴガアアアアアアンッ!!
ファイバード 『ぐあっ!!くっ!!おおおっっ!!!』
ドォゴォガアアアンッ!!
踏ん張りながらもう一発パンチを顔面に打ち込むファイバード。その時、長い舌がファイバードを捕らえて締め上げた。
ビュビュシュルルルルルッッ!! ギュバシッ!!
ファイバード 『くそっ!!』
ギギギギギィィィッッ・・・!!
ファイバード 『ぐおおお・・・!!』
そのまま舌を使ってファイバードをビル街へとブン投げる。
ゴフォアアアアアアアアアッ・・・!!!
ファイバード 『っ・・・・!!!』
ドォガギャアアアッ・・・・・ゴゴゴゴォォォ・・・!!!
ビル街に落下し、瓦礫に埋もれるファイバード。そこへ更に驚異的な跳躍力でBLW‐05が舞い降りる。前脚がファイバードの胸部をへし押さえるカタチで着地した。
ガダギャアアアアアアァァァァァッッ!!!
ファイバード 『がはぁああああっっ・・・・!!!』
重力によって倍加された衝撃がファイバードを直撃する。BLW‐05は、そのままガンガン踏み続ける。
ドォガンッ!! ドォガン!! ガゴォドォォ!! ガアアンッ!! ドォオオッ!!
ファイバード 『がはっ!!ごふっ!!ぐごはぁっ!!がっっ!!』
その光景を澪が痛々しい想いで見つめる。
澪 「あぁ・・・・勇士朗君っ・・・!!」
だが次の一撃を鷲掴みで阻止するファイバード。そのままBLW‐05を蹴り上げた。
ガッ!!
ファイバード 『はぁああああっっ!!!』
ドォギャガァアアアアアンッ!!
BLW‐05 「ギュゲアアアッッ!!」
ドォドォズズウウウウゥゥ・・・
吹っ飛ばされ地面に落ちるBLW‐05。そのタイミングでファイバードは、フレイムブレスターを上空へ召喚する。
ファイバード 『フレイム・ブレスター!!』
撃ち放たれたエネルギーが消えていった雨雲から、炎の戦闘機が飛来する。飛来と同時にフレイムキャノンが火を吹き、BLW‐05に向かって射撃した。
ヴィギュイイィンッ!!! ヴィギュイイィンッ!!!
ドォギャズゥゴゴオオオオオオォォッッ!!!
BLW‐05 「キョギャアアアッ!!」
苦しむBLW‐05をよそに、フレイムブレスターがファイバードの身を包んで合体する。
ファイバード 『フォームアップ!!武装合体、ファイッバアアアァァドッッ!!!』
BLW‐05 「ギュゴゲエエェェッッ!!!」
ビュフュッッ・・・!!
BLW‐05は、武装合体を成したファイバードに舌で攻撃をかける。だが、これを左手で鷲掴まれる。
ガシィィッ!!
ファイバード 『フレイムソードッ!!』
ズヴァシュガァアアアアッ!!!
BLW‐05 「ギュギュウギョガギョゴゴゴッッ!!!」
背中から取り出したフレイムソードで舌を切断するファイバード。激痛に耐え切れずBLW‐05は狂ったように暴れまわる。
ドォドォドドドドドドッドドドッッ!!!
暴れるBLW‐05を叩き伏せるように、フレイムソードで滅多斬りに斬りつける。
ファイバード 『でやああああああ!!』
ズシュガッ、ザシュッ、ザギャズヴァアアッ、ズシャァアンッッ・・・・!!!
BLW‐05 「ゲゲゲゲグウウウッ!!」
がに股の前脚の鍵爪を振るい、ファイバードに反撃するが、あっさりとフレイムソードに寸断される。
ズヴァシャアアアアアンッ!!!
BLW‐05 「ゲググゲアアアアアアッッ!!!」
ファイバード 『フレイムソード・・・・チャージアアアァァッップッ!!!』
腕を斬り飛ばしたと同時に、フレイムソードをチャージアップさせるファイバード。額の発光する光りが収束し、天に向かって奔る。フェニックスのオーラが発生し、フレイムソードに炎が纏う。
エネルギーを帯びながら燃える炎剣を構えて突撃する。
ギュゴオオオオオオオオォォォォォ・・・・
BLW‐05の身体に叩きつけるように燃える太刀を入れた。
ファイバード 『フレイム・スラアアアアアアァァァッシュッッ!!!』
ザヴァギャシャアアアアアアアアアンッ!!!
ギュウゴオオオオオオォォ・・・・ドォドォゴギャガガゴオオオオオオオオンッ!!!
炎を吹き出しながら大爆発するBLW‐05。フレイムソードのつばが畳まれ、フレイムソードを背中に収容するファイバード。胸のフェニックスのエンブレムが消え、戦闘が終了した。
翌日。一晩置いていたギー太を手に満面の笑みで浮かれている唯。
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第27話 作家名:Kブレイヴ