新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第28話
ギュゴオオオオッ・・・・・ザズシャアアアアアアアアンッッ!!!
BLW‐06 「キュクケカアアアアッッ??!」
胸部表面が若干切断され、BLW‐06が圧倒された。着地と同時に光る動輪剣の切先をBLW‐06にかさず。
フォシュンッッ・・・!!
舞人 「遅れてすまない!!2人共、大丈夫か?!!」
「2機」ではなく「2人」とあえて呼称する舞人。この呼びかけに答えるように2機が立ち上がった。
ストライクボンバー 『ああ、なんとかな!!このBLWは一癖も二癖あるぜっ!!!』
フレアダイバー 『気をつけてください!!コイツは防御力と腕力が異様に強力ですっ!!』
舞人 「わかった・・・!!!」
ストライクボンバーとフレアダイバーのアドバイスを受け、舞人は動輪剣の出力コントローラーを操作し、出力を約130%付近に調整する。鍔の車輪が更に高速回転し、刀身が強く発光し始める。
モニター越しに舞人がターゲットを睨み、マイトガインの両眼が発光する。
対峙し、向かい合うマイトガインとBLW‐06。好戦的な気質の為か、BLW‐06が先に豪腕を揮った。
BLW‐06 「クキュグカアアアアアッッ!!!」
グオオオオオオンッッ・・・・!!!
マイトガインは、向かい来る豪腕の拳に動輪剣の刀身を叩き斬る勢いでぶつけに掛かる。
マイトガイン 『でやあああああああっっ!!!』
ザァダギャアアアアアアアアアッッッ!!!
下腕部が真っ二つになり、半分が上腕部の関節から切断された。ピンク色の血液が切断部から噴出す。
BLW‐06 「キュルガアアアッ??!」
舞人 「マイトガイン!!押して、押して、押しまくるぞっっ!!!攻めこそが最大の防御力だぁあああああ!!!」
マイトガイン 『おおおおおお!!!』
熱くなる舞人とマイトガイン。動輪剣の唸る太刀の斬撃が連続で揮われ、BLW‐06の身体を滅多斬りにする。
ザギャシャン、ザァンッ、ズヴァシャアアン、ザガギャア、ズズドォオ、ヴァシュンッ!!!
形成が逆転し、完全に押され始めたBLW‐06。悪あがきか否か、残る左腕で殴りかかる。
BLW‐06 「キュクルルッ・・・!!!」
ゴッ・・・・ドォガシャアアアアンッ!!!
揮われる太刀がBLWの胸に斬り込まれる前にマイトガインの胸部に豪腕が炸裂した。
マイトガイン 『ぐおおおおおお!!!』
舞人 「ぐああああ!!!」
吹っ飛ばされるマイトガイン。コックピットの舞人にもその衝撃が襲い掛かる。そして紬のいる付近にまでマイトガインが倒れこんだ。猛烈な地響きが彼女を襲う。
紬 「え・・・・きゃあああ?!!」
ズドォオオオオオオオンッ・・・・
幸いにも彼女のいた位置から横10メートル先に倒れこんだ為、紬は無事で済んだ。
マイトガインの両眼に、頭を抱えてうずくまる紬が映った。当然、その映像はコックピットのモニターに映し出された。
マイトガイン 『ぐ・・・・なるほど・・・言われたとおり、強い攻撃だ・・・・!!!それよりも、舞人ぉ・・・・!!私の10メートル横に紬嬢がうずくまっているぞっ・・・・!!!』
舞人は衝撃に耐え切り、モニターを確認する。食い縛ってマイトガインを起こす。
舞人 「何?!!ぐ・・・・っ・・・ああ、俺も・・・確認したっ!!」
グオン・・・・・ギュインッ・・・・
足元の紬に注意しながら立ち上がるマイトガイン。直ぐに舞人は一刻も早く紬に避難を促すべく、外部スピーカーで紬に呼びかけた。
舞人 『紬さん!!なんでこんな危険な所に・・・・早く安全な所へ逃げるんだ!!!』
紬はうずくまった体勢を解き、ゆっくりと立ち上がってマイトガインに向かって叫んだ。
紬 「だって・・・闘っている彼らが心配だったから・・・・だから・・・見守らずにはいれなかったの!!!」
舞人 「紬さん・・・!!」
勇者特急隊を按ずる姿勢の紬に舞人は横浜の時を思い出した。あの時は彼女の存在なくして勝利は得られなかった。改めて舞人は紬が勝利の女神に成りうる存在ということ思い出した。
紬もマイトガインをきゅっと見つめ続けた。
舞人 「・・・・そうか・・・あいつらの身を心配してくれてわざわざここまで・・・ありがとう!!それに紬さんは俺達にとって勝利の女神だったね!!」
紬 「え?!もう、舞人君たらっ!!」
その時、ストライクボンバーとフレアダイバーが再度の攻撃に行動する。
ストライクボンバー 『おおおお!!!』
フレアダイバー 『隊長の言うように、攻めこそが最大の防御力っ!!!』
ストライクボンバーの渾身のスパーク・クラッシュが、フレアダイバーの零距離射撃の攻撃が同時に炸裂する。
ドォグズズドォドォドォドォゴオオオオオオオオンッッッ!!!
BLW‐06 「クグケェエエッッ・・・!!!」
大きくダメージを受けたBLW‐06。口から唾液を吐き出して苦しむ。それでも苦し紛れにフレアダイバーを殴り飛ばし、ストライクボンバーにタックルを食らわせる。
ズドォガァアアアッ、ドォゴォオオオンッッ!!!
舞人は紬に叫んだ。
舞人 「見ていてくれ!!勇者特急隊の勇姿をっっ・・・!!!」
紬 「うんっ!!見ているわっ!!」
紬は強気な笑みでうなずいた。そしてマイトガインのバックブースターの風圧が、紬の髪の毛をなびかせた。
ギュゴォオオオオォォォ・・・・ドォオオオオオオオオオオオッッ!!!
紬は風でなびく髪を抑え、空高く舞い上がったマイトガインを見上げる。そして勝利を確信した微笑みを浮かべた。
舞い上がったマイトガインのコックピットで、舞人は動輪剣の出力を160%に引き上げる。
舞人 「動輪剣、刀身エネルギー出力、160%!!!いくぜっ、マイトガインッッ!!!」
マイトガイン 『ああっ!!!』
振り上げた動輪剣の鍔が更に高速で周り、動輪剣の刀身がより強く光輝く。上空からBLW‐06目掛け、一気に斬り掛かる。
舞人 「縦っ!!一文字斬っっ!!!」
マイトガイン 『はぁあああああああ・・・・・斬っっっ!!!』
グフォオオオオッッ・・・!!!
天空から叩き下ろされる動輪剣。次の瞬間、BLW‐06はその刀身を鷲掴みにしようと試みた。
ガァァッッッ・・・!!!
マイトガイン 『何ッッ?!!』
紬 「え?!!」
まさかの鷲掴みの白刃取り。この展開に紬は動揺した。だが、動揺は杞憂に終わる。
・・・・ズギャザガガガシュダァアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!
一瞬で手を斬り裂いて、身体を真っ二つに両断する。血は動輪剣のエネルギーで蒸発していた。
そしてエネルギーがパージされた。
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第28話 作家名:Kブレイヴ