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私たちの妹

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「改めまして、プロイセンさん。お久しゅう御座います」
リヒテンはプロイセンに向かって、ぺこりと頭を下げた。

「へっ?お前、もしかして、リヒテンシュタイン、か…?」
プロイセンはブルブルと震える指でリヒテンを指さした。

「相手に対して指をさすのは失礼ですよ、このお馬鹿さん」
オーストリアはすっとメニューを見ながら、プロイセンの不作法を指摘した。

「いやだって、リヒテンの髪が、ええっ?!!」
プロイセンはかなり混乱していた。

「お兄様を真似て切ってみました。可愛くはないですか?」
リヒテンは自分の髪をいじりながら、プロイセンに尋ねた。

「い、いや、かかか、可愛いとは、思うけどなぁ…」
プロイセンは顔を赤らめて、急に黙り込んでしまった。

「あの、どうかなさいましたか?」
リヒテンは椅子か立ち上がり、プロイセンの側へと駆け寄ってきた。

「……俺様としては、リヒテンの髪の触り心地、超お気に入りだったのによ〜〜〜!!」
プロイセンはいきなり、リヒテンの頭を両手で撫でまわし始めた。


プロイセンとリヒテンは知り合いだ。

その昔、オーストリアと一緒にドイツの家で同居していた時に知り合ったのだ。

その後は、ドイツ連邦解体ののごたごたしている時に、リヒテンシュタイン公国は独立国家となった。

リヒテンもそれに伴い、ドイツの家を出た。

それ以来、リヒテンとプロイセンは会っていないのだ。

従って、リヒテンが髪を切った事はプロイセンは今の今まで知らなかったのだ。


「あ、あの、プロイセンさん?!!」
リヒテンはプロイセンの行動に、すっかり困惑していた。

「プロイセン、貴様!リヒテンから離れるのである!さもなくば…」
スイスはいつの間にかプロイセンの背後に回り、彼の後頭部に銃口を押し付けた。
因みに、銃の安全装置は解除されている。

―他国に全く興味を示さなかった貴方が、リヒテンに関してはもの凄い兄馬鹿になってしまうとは…。
オーストリアは、誰にも気付かれる事なく、盛大な溜息を落とした。

「お、お兄様、こんな所でやめてくださいまし!!」
リヒテンは必死になって、スイスを止めようとしていた。

「…それよりも、スイス、リヒテン。
せっかくの食事が冷めてしまいますよ、早く席に戻りなさい。
それと、プロイセン。貴方にはコーヒーを注文しましたので、貴方も席に着きなさい」
今まで話の輪の中に入っていなかったオーストリアが突如、大きな声を上げた。

「は、はい!申し訳ありません、オーストリアさん」
「……」
「けっ!」
リヒテン、スイス、プロイセンの3人は大人しく自分の席に着いた。


しばらくして、ウェイターがコーヒーをプロイセンの元に運んできた。
その間、この4人の間で会話が交わされる事は無かった。

作品名:私たちの妹 作家名:桜飴♪