IS〈インフィニットストラトス〉~選ばれし者~
昭人は一夏の手を握り返した。するとそこに一人の少女がやって来た。
???『...ちょっといいか?』
一夏『えっ...箒?』
そして一夏は廊下に連れ出されていった。昭人は暇なため、寝ることにした。周りからはやはり悪いイメージにしか見られていないらしい。
♢
真耶『...であるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法によって罰せられ...。』
すらすらと教科書を読んでいく真耶。みんな真剣に授業を聞いている。昭人に関しては必要ない。しかしそんな中、一人だけ全くついていけていない男がいた。
真耶『織斑くん、何か分からないところがありますか?』
そう。織斑一夏だ。何度も目が教科書と黒板を往復している。そして焦る。
一夏『...ほとんど全部分かりません。』
真耶『ぜ、全部ですか...?』
昭人『ふふっ...。』
昭人は後ろから見ていて思わず笑う。
千冬『織斑、入学前の参考書は読んだか?』
千冬から黒いオーラが放たれる。昭人はやはり笑う。
一夏『古い電話帳と間違えて捨てました!』
一夏が言った瞬間...
《パシーン》
という音が響いた。
千冬『必読だと書いてあっただろうが馬鹿者!!...後で再発行してやるから、一週間以内に覚えろ。いいな?』
一夏『い、いや...一週間以内にあの分厚さはちょっと。』
千冬『やれと言っている。』
一夏『...はい、やります。』
一夏は泣きながら頷いた。昭人は寝ていた。何時の間に!?
それから二時間目が終わり、休み時間になった。
昭人『ふわぁ...。』
昭人が大きな欠伸をすると、一夏が羨ましそうに見てくる。
昭人『...なんだ?』
一夏『いや、何で神城は寝てるのに千冬姉に叱られないんだ?』
昭人『知らん。』
一夏『即答!?』
昭人『俺はある程度の知識はある。だから授業の意味がない。寝たいから寝る。それだけだ。』
一夏『じゃぁ何でここに来たんだ?』
昭人『半ば強制にだ。俺の意志ではない。』
一夏『あ、俺と同じじゃん!!』
昭人『一緒にされると困る。』
一夏『あはは...すまん。』
一夏とは何だかんだ上手く接しているが、周りからはやはり
『何あれ、授業の意味がないとか。』
『生意気だよね。』
『織斑君、離れなよ。』
などと呟かれる。昭人は呆れる素振りも見せずに聞き流している。
一夏『酷い言われ様だな、お前。いいのか?性格直さなくて。』
一夏が真剣に見てくる。
昭人『これが素だ。直せと言われて直せるものではない。お前はどうなんだ?俺なんかと居たら嫌われるぞ。』
一夏『仕方ないだろ。クラスに男子は俺とお前の二人だけなんだからよ。』
昭人『そっか...。』
一夏『あぁ...。』
ひとまず沈黙。そして、その沈黙を打ち破る者がいた。
???『ちょっと、よろしくて?』
一夏『へ?』
昭人『あん?』
一人の金髪女子が話しかけて来た。
作品名:IS〈インフィニットストラトス〉~選ばれし者~ 作家名:ラプラス@F