二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第33話

INDEX|2ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

  俊 「まー、今に始まったことじゃないが・・・。」

  店員 「お待たせいたしましたー!」

  店員が注文していたアイスを差し出す。それぞれ受け取って歩きながらアイスを食べる。

  唯 「おいちー!」

  光 「ああ、おいちーなー。」

  光と唯の後ろから俊と梓が二人のやりとりを見物。

  俊 「天然と天然・・・ベストカップルといえばベストカップルか・・・。」

  梓 「なんか正反対の人の方がいい気もしますけど・・・。」

  俊 「本人同士が同意した上で付き合ってるんだからそれ以上とやかく言うことはないけどな。」

  梓 「それもそうですね・・・・。」

  そう言いながら、アイスをぺろぺろと舐めはじめる梓。俊の視点から見るとかわいらしく見えて仕方がなかった。  

  俊 (うっ・・・・かわいい・・・。)

  その時、互いの視線が合ってしまう。下からみつめる梓が質問する。

  梓 「どうしたんですか?」

  俊 「あ・・・いや、何でもない。」

  梓 「?」



  再び勇士朗と澪。カフェに立ち寄ってブレイクタイムのひと時を共有する。

  澪 「ああー・・・ここの紅茶おいしい!勇士朗君はコーヒー飲んでるの?」

  勇士朗 「え?うん。俺、ブラックとか好きだからさ。」

  澪 「大人だよね・・・。」

  勇士朗 「え?うんと・・・そうかな?澪ちゃんの方こそ大人っぽく見えるなー。凛としてて。」

  またもや恥ずかしそうに赤くなる澪。だが、拒絶的な恥ずかしがりでは無い。

  澪 「今、勇士朗君、私の事名前で言ってくれたよね?」

  勇士朗は内心では名前で呼びたがっていた。それが今無意識の内に喋らせたのだ。

  勇士朗 「え?あ?!ごめん!秋山さん!!」

  勇士朗は焦る。基本女の子にちゃん付けはタブーだと思い込んでいたが故に。だがどう捉えるかはその人その人によるものだ。澪は逆にそう呼ばれた事で安心したのだ。

  澪 「あ、何も言い直さなくてもいいよ!私としても名前で呼んでくれた方がいいし・・・それに思ってたんだ。いつ名前で呼んでくれるのかな?って!」

  勇士朗 「澪ちゃん・・・そうだったんだ・・・俺もそう呼びたかったけど、どのタイミングで呼んだらいいのかわからなくって・・・・。」

  澪 「みんなは名前で呼んでくれてるのに、勇士朗君だけ名字なんだもん。けれどそれ聞いてちょっとホッとした・・・。」

  勇士朗 「ホッとした・・・??」

  澪自身、名前で読んでくれる事で距離感が縮まった感覚になり、安心したのだ。

  澪 「うん・・・・やっと距離が縮まったんだなって・・・・あ!!私の方こそ何言っちゃってるんだ?!ごごごごごめん!!」

  焦り出す澪。勇士朗は確信した。澪との距離関係はもうそこまで来ているのだと。勇士朗は焦る彼女もそうなった時の自分と同じ心境だろうと考え、あえてもとの話題を戻す。

  勇士朗 「あ!大丈夫!!てか、別に謝らなくても・・・・ええーとその前何の話を・・・あ!!紅茶!!そういえば復活祭の時に飲んだ紅茶うまかったよ!!」

  澪 「え?!あ、あの時か・・・もし今度よかったらムギから少しもらおっか?それか、入校許可とって入ってきてもいいよ!」

  勇士朗 「え?!じゃあ、二学期からそうしよっかなー!」




  その日の5時代の時間帯。律は夕食の献立の買出しに出かけていた。その最中に、バイト帰りの蓮と偶然会う。

  蓮 「あ・・・律っちゃん!」

  律 「おー、蓮!奇遇だなぁ!」

  いつもは澪や他のメンバーといることが多い律。珍しく1人の彼女に蓮は質問する。

  蓮 「今日は1人なのか?」

  律 「ああ、今日は私が献立作ることになったから買出しに来たんだ。蓮はバイト帰り?」

  蓮 「ああ。へぇー・・・律っちゃんて料理作れるんだなー。」

  律 「なんだよ、てか失礼だな!!前に私の作った料理食ってるじゃん!!」

  蓮 「あー、ワリー!おてんばなイメージが強いからすっかりわすれちまってたー!今日は何作るんだ?」

  律 「まー、今日はまたハンバーグでも作ろうと思って・・・どうだ?食べてくか?」

  蓮 「え?!いいのか??」

  律 「ああ!バイトで働き疲れていると思うしな!」

  蓮 「さんきゅー!!」

  律 「じゃー、早速買い物に付き合ってくれ!」

  蓮 「お、おう!」




  日が黄昏空を作る時間帯になり、ショッピングを終えた勇士朗と澪が帰路を歩く。

  澪 「今日はありがとう。楽しかったよ!」

  勇士朗に微笑む澪。何故か普段よりも増してかわいく見える。

  勇士朗 「俺も楽しかった!でも二人で遊ぶのは初めてだったよね?」

  澪 「そ、そうだな。いつも軽音部のみんながいたし・・・。」

  二人とも照れくさい雰囲気に包まれる中、澪はもう少しだけ勇士朗と一緒にいたいと思っていた。

  澪 「ねぇ・・・ちょっとだけ寄り道していかない?日は長いし・・・。」

  勇士朗 「え?ああ、いいよ。」

  寄り道をしながら二人は市内の河川敷を歩く。二人を時折吹き付ける風が包む。

  澪 「勇士朗君・・・以前私の歌声が聞こえたって言ってたよね?その時ここの河川敷で歌ってたんだ。」

  澪が河川敷の土手を見下ろす。なびく髪がいい画に映る。  

  勇士朗 「そうだったんだ・・・でもあの時は澪に助けられた。マジで危なかったから!」

  その時、厚木方面上空に流れ星のようなモノを澪が確認した。同時に勇士朗がデストリアンを感知する。

  澪 「あ、流れ星!」

  勇士朗 「っ・・・・!!デストリアン!!」

  澪 「え?!じゃあ・・・あの流れ星は・・・・!!」  

  その時、二人のケータイに隕石警戒のメールが受信される。

  勇士朗 「例によって奴らだ!!澪ちゃんは先に帰ってて!」

  澪 「いいよ!私はここで待ってる!」

  勇士朗 「え?!・・・・うん、わかった!!ファイアージェエエエエエットッッ!!!」

  澪のその言葉に驚く勇士朗。だが、迷う事無くファイアージェットを呼び出す。河川敷に飛来し、地面から1mほどをファイアージェットがホバリングする。

  その影響で激しく風圧が発生し、澪の髪を大きくなびかせる。

  勇士朗はファイアージェットに飛び乗り、キャノピーハッチを開いて、内部に乗り込む。カチカチカチッと素早く計器類を操作し、モニターを作動させていく。各計器をチェックすると、勇士朗はガチガチッと加速レバーを押し込む。

    キュイイイ・・・・ドォアアアアアアアアアアアッッ!!!

  澪 「うっ!!」

  ブースター全開で飛び立っていくファイアージェット。巻き起こる強風が更に澪の髪とスカートをなびかせる。澪は飛び立っていく勇者の翼を見守った。

  澪 「勇士朗君・・・。」