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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 番外編1

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  唯 「あしょびたーい!」

  口を3の字にして拗ねる律と唯。そんな2人に今年こそはと気合が入った澪は強引に練習を強行する。

  澪 「とにかく練習!!毎年毎年ダラダラ来たけど、今年こそはみっちり練習するぞ!!なぁ、梓!!」

  あえて澪は同じくやる気満々の梓に振ってみる。梓も澪の期待通りに練習を主張した。

  梓 「もちろんですっっ!!みっちり練習したいですっっ!!!」

  澪 「梓もそう言ってるんだ!!さぁ!!やるぞっ!!」

  毎年唯と律に流されてきてしまった澪。今年こそは自分のペースを貫く姿勢を見せようとする。全ては二学期の学園祭に向けての為だった。

  勇士朗はいつになく情熱的に燃える澪の瞳に釘付けとなった。そんな澪の姿を見た勇士朗達は気を使って部屋を出る。

  勇士朗 「それじゃあ、俺達はここにいちゃなんだから、晩飯の買出しに行こうぜ!」

  俊 「ああ!そうするか!」

  澪は気遣う勇士朗にすぐに反応した。

  澪 「あ、ごめん、気遣わせちゃって!」

  勇士朗 「いいって、いいって!」

  俊 「お前らも覗きやってる暇があるならいくぞ!特に、光!!お前は勇者だろが!!」

  光 「うっせーな!!覗きじゃねー!!事故だ、事故っ!!」

  そこへ紬が万札を平然と彼らに手渡す。無論ビビルしかない。

  紬 「じゃあ、これでお願いね?買い出し費用は私が出すから!」

  光 「いちまんえーん!!!」

  蓮 「おおおおう・・・約15、6時間分のバイト代金・・・!!!」

  勇士朗 「わ、わかった・・・りょ、りょうかい・・・。」

  お嬢様の必殺技にたじろきながら勇士朗は万札を震える手で受け取った。

  俊 「流石、お嬢様だ・・・!!!」

  光 「よっしゃー!!!焼肉食いに行くかー!!!」

  蓮 「落ちつけいっっ!!!」

  わいわい言いながら部屋を出て行く勇士朗達。そんな彼らの後姿を見ながら澪は軽く微笑んだ。



  2時間ぐらい練習を続ける放課後ティータイム。ツインギター、ベース、キーボード、ドラムの音が鳴り響いていた。そこへ買い出しついでに差し入れを買ってきた勇士朗達が戻る。手にはペットボトルが入ったコンビニの袋が握られていた。

  蓮 「よー!もどったぜー!」  

  俊 「買い出しついでに差し入れも買ってきた。みんなで分けてくれ!」

  梓 「わぁあ!ありがとうございますっ!」

  勇士朗 「ここいらで休憩挟もうぜ。」

  律 「うっひょー!サンキューっ!!」

  唯 「やったー!!」

  早速我先にと唯と律が俊の所に駆け寄る。ペットボトルの他に、勇士朗がアイスの入った袋を持っていたのでそちらにも手を伸ばす。

  律 「おりゃー!」

  唯 「アイスゥー!!」

  勇士朗 「おわわわ!」

  澪 「お前ら落ち着け!」

  それぞれが床に座って差し入れを食す。律がタオルを首にかけてペットボトルをゴクゴクと一気飲みする。エアコンがかかっているとはいえドラムをやっていれば熱くなる。その姿に蓮が釘付けになって見ていた。

  蓮 「・・・・。」

  律 「んぐ・・・んぐ・・・んぐ・・・・ん?」

  視線を感じた律はちらっと蓮を見た。その仕草が何故か蓮の心をくすぐった。

  蓮 「!!」

  律 「ぷはぁ!どうした?」

  蓮 「え?!あ、いいや、なんでもねー!!」

  蓮は顔を赤くしてぶんぶんと首を振った。

  律 「ほえ???」

  唯は光と仲良くベランダでアイスを食べていた。あぐらをかく光に寄り添う唯。潮風に吹かれて髪もなびいている。

  唯 「うふふ〜アイスおいちーよー☆」

  光 「うん、おいちーなー☆」

  唯 「あ〜光君の肩って落ち着く〜。」

  光 「唯ちゃん・・・。」

  2人の頭上には多数のハートマークがぽこぽこと連続で浮かび上がっている。窓越しに見ていた俊が突っ込みを入れる。

  俊 「あー出た出た。あそこにバカップルがいるぜ。」

  梓 「くすっ、全くです!でも本当幸せそうですね、唯先輩達。俊さんは彼女さんとか出来ないんですか?」

  梓から鋭い質問を受けた俊。無論、工業高校故に現在の女性達との接点は彼女たちしかいない。それどころか梓が本命なのだ。

  俊 「ええ?!あ、ああ。い、いないなそういうのはっ。」

  梓 「そう・・・ですかっ。てっきりその・・・もてそうに思ったんで・・・。」

  俊 「え?!」

  梓 「あ〜ごめんなさい!軽率な事言っちゃって・・・。」

  澪がカップアイスを食べながら勇士朗に申し訳なさそうに言う。

  澪 「ホント、色々と気を遣ってもらってなんだか悪いなぁ・・・。」

  勇士朗 「いいて、いいって!俺達も来させてもらってるんだしさ!」

  澪 「勇士朗君・・・それじゃ、色々頼んじゃおっかな☆」

  勇士朗 (―――!!!)

  澪は勇士朗に微笑みを見せながらそう言った。勇士朗は間近で見る澪の笑顔にドキンとなり、時間が止まったかのような感覚を覚えた。

  それぞれがいい感じの組み合わせで休憩する・・・この光景を見ながら紬はうっとりしながらデジカメを撮りまくっていた。

  紬 (うふふふ・・・幸せ日和、恋日和☆)



  二日目。午後の途中に練習を一区切りして、一行は水着に着替えて海に赴いた。これまでの溜まったものを解き放つように唯と律が大はしゃぎする。

  律がビーチボールを振りかぶって唯にブチ中てた。

  律 「うおりゃああ!!」

    パフィンッ!

  唯 「はうぅ・・・!」

  跳ね返ったボールを光がキャッチし、律に投げ返す。

  光 「ああ!唯ちゃん!おりゃあああ、くらえっ!!」

    パシン!

  蓮 「おっと・・・・二ッ・・・・せやああああ!!」

    パボオオオン!

  蓮が光の投げたビーチボールをキャッチ。至近距離からブチ中てた。

  光 「はうああああ!!」

  光の顔を跳ね返って波に浮かぶビーチボール。小麦色に焼けた梓が積極的に取り、律に投げた。律はこれをキャッチした。

  梓 「いきますっ!!やぁああああ!!」

    パシンッ!

  律 「甘い!おりゃああ!!」

  律が投げたビーチボールは梓目掛けてかっ飛ぶ。だが、その間に俊がばっと入った。川では余り率先してはしゃいではいなかったが今回からは積極的に遊んでいた。無論、彼なりに梓に影響されている為であることは言う間でもない。

  俊 「はぁっ!!」

    パシッ・・・シュパッッ!!

    ボパアアンッ!

  蓮 「あごっ!」

  はしゃぐ唯達に対し、浜辺では勇士朗、澪、紬の三人がパラソルの下で座わりながら唯達を見ている。澪がデジカメを手にとってパシャッ、パシャッとみんなの遊ぶ光景を撮る。そんな澪を見て勇士朗は午前までとのギャップを感じた。

  勇士朗 「澪ちゃん、さっきまでとはだいぶ違うね。」

  澪 「え?そっかな?」