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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第36話

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  梓 「ムギ先輩の話によると、別荘の近くに妖怪の伝説があったらしくてね・・・ソレも人を食べる・・・。」

  純 「こわー!!!で??どうなったんだ〜??」

  梓 「もちろん、勇士朗さん達が守ってくれたよ!」

  憂 「達って・・・・あ!もしかして光さんの事?!お姉ちゃん言ってたよ!!今度お礼しなきゃいけないなぁ〜。」

  嬉しそうに言う憂。姉の初彼の事を嫉妬する事無く逆に慕っていたのだ。

  純 「え?でも勇士朗っていうヒトだけが闘えるんじゃ・・・?」

  憂 「ここだけの話なんだけど、光さんは家のエクスカイザーから闘えるアイテムをもらったんだよ!変身して闘うみたいだけど、確か・・・ダグオンっていう名前だったかな?」

  純はその語呂に反応した。

  純 「ダグオン・・・なんか軽音が強引に濁った言葉みたい・・・。」

  実際に戦う光を見ていた梓はすごさを主張した。

  梓 「実際見ててすごかったよ!!流石にファイバードみたいにはいかないけど、自分より遥かに大きい怪物と闘えちゃっていたから!!」

  純 「へーっ!!」




  一方、勇とエクスカイザーは、唯と憂をそれぞれの待ち合わせ場所へと下ろした後、そのまま一人ドライブをしていた。

  勇 「ま、憂は友達とプールってわけだが、まさかあんときの男子高校生がマジで彼氏になるとは・・・・。」

  エクスカイザー 『どうした?勇。ヤキモチなのか?』

  勇 「いや、そんなんじゃないが、昔は世話やかしてばっかで目が離せなかった唯も、そんな歳になったのかなーってな。」

  エクスカイザー 『まるで実の兄のようだな。』

  勇 「そうだな。実際は従妹だが、俺も実の妹のように思う。それはそうと・・・・俺も彼女欲しいなぁー・・・・。」

  勇に想いを懐く和は、澪と共に夏期講習を受けていた。共に努力家なのだ。

  アクセルを開けて、加速させる勇。その時だった。エクスカイザーがデストリアンのマイナスエネルギーを察知する。

  エクスカイザー 『ム・・・・!!』

  俊と律とで遊んでいた勇士朗もデストリアンの湧き上がるように感じるマイナスエネルギーに気づく。

  勇士朗 「・・・!!」

  律は俊の恋ばなを聞いてあげていた。蓮と共にデートの発案をする。

  律 「・・・じゃあ梓と今度思い切ってデートすればいいじゃん!私や蓮も協力するからさー。」

  俊 「あ、ああ。いきなり2人きりは向こうも緊張するだろうしな。」

  蓮 「だな〜・・・仮に既に付き合っている光・唯かっぷるに任せるんじゃぁ・・・なんか不安だからな・・・・。」

  俊 「ああ、納得だ!この前は唯ちゃんの近所のおばあちゃんに命拾いしてもらったからな!」

  律 「は?まーいいや。てわけでぇー、勇士朗!あんたも澪をがんばり・・・・あれ??いなくなってる!!」

  律が勇士朗に話をふったが既にいなくなっていた。勇士朗は低空をダッシュしながらファイアージェットを難なく呼び出せる場所へと向かっていた。




    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォオオオ・・・

  デストリアンは奇しくも憂達のいるプールの地下から地震を起こしながら襲来した。先ほどまでの楽しき場が地獄へと変貌する。

    ディガキャアアアアアンッ!!

  フナ虫が二足歩行になったようなデストリアンが出現する。這い出すと同時に、プールに入っていた人々が踏み潰された。しだいにプールの水が赤く染まっていく。

  D‐23 「ギゴガアアアアアアアアアッッ!!!」

  両端から出た豪腕と昆虫のような6本の腕。うごめく触覚。開閉する鋭利な牙が並んだ口。実に巨大で、ファイバードやエクスカイザーの1.5倍はある。

  昆虫のような腕が悲鳴を叫ぶ人々を容赦なく捕らえ、鋭利な牙が並ぶ口に運ぶ。捕食を開始した。

  憂 「いやあああああああ!!」

  純 「ちょっとおお!!!冗談でしょこんなのォォ!!?」

  憂と純がパニックに陥る。だが、比較的このような状況を体験してきた梓は、恐怖感を懐きながらも冷静に二人に呼びかける。

  梓 「まさか・・・こんな所で・・・・とにかく逃げようっ!!怪物から離れよう!!」

  プールから出て3人は走り出した。背後の方から聞きがたい悲鳴と咀嚼音が聞こえてくる。  

  憂と純は、今にも泣き出しそうな表情で走る。

  梓 (ああいう目に遭うときがあった分だけ今の私を冷静にさせてくれてるんだ・・・私がしっかりしなくちゃ!!)

  その時だった。昆虫のような腕が伸び、憂を捕らえる。悲鳴を叫ぶ憂。

  憂 「やああああああああああ!!!」

  梓&純 「ういいいぃぃぃぃ!!!」

  その頃、光とデートしていた唯が、食べていたアイスを落としてしまう。

  唯 「ああ〜!アイス落としちゃった・・・・。」

  光 「さっき買ったばかりじゃん!もったないなー。じゃあ、俺のあげる。はい。」

  唯 「えへ、光君、ありがとう。それにしてもなんだか胸騒ぎが・・・・。」

  光 「胸騒ぎ?」

  唯の胸騒ぎは的中していた。D‐23の口へと運ばれていく憂。その下で途方に暮れる梓と純。

  どうする事もできない。憂は、死を覚悟した。

  憂 「・・・・さよなら・・・梓・・・純・・・・勇兄ちゃん・・・お母さん、お父さん・・・・お姉ちゃん・・・・私、お姉ちゃんの妹に生まれてよかったよ・・・・!!!」

  開口する口。鋭利な牙が並ぶ。憂の頭が牙に触れる。

  憂 「ひっ・・・・・!!!」

  その刹那――――。

    シュゴゴゴゴゴゴオオオオオォォ・・・・・ドォズドギャズギャドォドォドォドォドォドォドドォオオオオオオオオオンッ!!!

  D‐23 「ゴオオオオオオオオッ??!」

  D‐23の胸部にジェットブーメランが直撃する。さらには背部の甲羅部分にフレアミサイルが直撃した。

  憂 「きゃあああああ!!!」

  振り落とされる憂。走ってきたエクスカイザーが間一髪で落ちる憂をキャッチする。

  エクスカイザー 『憂!!』

  憂 「きゃっ・・・・エクスカイザー!!」

  エクスカイザー 『大丈夫か!?憂!!』

  憂 「う・・・・うわあああああん!!恐かったよぉぉぉ!!」

  エクスカイザーの手の中で泣き叫ぶ憂。一気に恐怖が途切れたのだろう。エクスカイザーは着地すると共に、手の中の憂を優しくなだめる。

  エクスカイザー 『こんなに震えて・・・凄く恐い思いをしたんだね。だが、私が来たからにはもう大丈夫だ・・・それに、ファイバードも来てくれた!』

  憂は涙を拭いながら空を見上げる。キラッと輝く太陽に照らされたファイアージェットが飛んでいた。中のコックピットでは勇士朗が全弾命中を確認し、機体を加速させる。

  勇士朗 「全弾命中・・・・今日は光のやつはデートって言ってたからな・・・今回は気を遣ってやるか・・・!!!」

    ガチガチッ・・・! ギュドォオオオオオオオオオオッ!!!