二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第38話

INDEX|2ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

  勇 「エクスカイザーは勇士朗を知ってたのか?」

  エクスカイザー 『ああ。幾度か共に闘ってきている。時には、勇士朗とテレパシーで会話したりするからな。』

  勇 「テレパシー?!俺はできねーぞ!?」

  エクスカイザー 『彼自身がファイバードと融合している為に可能なんだ。』

  勇士朗 「そうなんです。俺、本当だったら死んでいるはずでした。」

  勇 「ようはファイバードに融合してもらって救われたって事だな・・・って人間に融合できるのか?!!」

  エクスカイザー 「いや、原則的には禁止されている。彼の場合は例外の特別措置だった。」

  勇 「へぇ〜・・・。」

  感心しながら勇士朗を全体的に見る勇。勇士朗は照れくさそうに答えた。

  勇士朗 「そのおかげもあって今まで仲間の危機を救うことができてるんです。俺は後悔も何もしちゃいません。むしろ感謝しています!!」

  勇 「そうか・・・その歳でそう悟っちゃあ、大したもんだぜ!じゃあ、そろそろ行くか!従妹を念のため病院へ送ってくからな。得体の知れない化け物に触れられたとあっちゃ、おちおちできねー。じゃあな!勇士朗!!」

  勇士朗 「はい!」

  エクスGTの後部座席では、梓と純が付き添いで乗っている。憂は助手席でうつむいたように座っていた。勇士郎は、一声かける。

  勇士朗 「生きてて何よりだ!あんな目に遭った直後で混乱しているだろうケドもう大丈夫だ!」

  エクスカイザー 『その通りだ。憂。私と勇もいる・・・・今は安心して休むんだ。心配はいらないよ。』

  憂 「エクスカイザー・・・みんな、ありがとう・・・。」

  梓と純も勇士朗にお礼を言う。

  純 「ありがとうございますっ!ホント、助かりましたぁ!!」

  梓 「勇士朗さん、エクスカイザーさん、ありがとうございます。私いつも助けられてばかりで・・・・・・。」

  勇士朗 「そんな・・・気にすることないよ。」

  エクスカイザー 『ああ。やつらから人々を守る・・・当然の事をしたまでさ・・・。』

  勇士朗 「それじゃ、俺、そろそろ戻るからさ、しばらくそばにいてあげなよ。」
    
  梓&純 「はい!」

  そして勇が運転席に乗り込んだ。

  勇 「じゃ、いくぜ。またな!勇士朗!光にもよろしくな!」

  エクスカイザー 『では行ってくる!』

  勇士朗 「はい!」

  勇は、アクセルを開けて市内の病院へと向かった。勇士朗も俊たちの所へと戻る。だがアシがないことに気づく。

  勇士朗 「俺も戻るかな・・・・あ!!ファイアージェットで来たんだっけ・・・・。」



  数日後―――



  憂は異常なく無事に退院する。僅かに長引いたのは精神的なものが殆どだった。だが、平沢家の持ち前のポジティブさで殆ど回復していた。

  勇と共に我が家へと戻る憂。勇も安心した表情で憂を見る。

  勇 「ふぅ・・・ただいまー!唯!憂が退院したぜー。」

  勇がそう言うと、玄関目掛けて唯がダダダダと走ってきた。

  唯 「うーいー!おかえりー!!」

  憂に勢いよく抱きつく唯。姉の抱擁とでもいうのか。

  憂 「えへへへ・・・お姉ちゃん、ただいまぁ。」

  唯はほっぺたを憂のほっぺたに合わせてすりすりする。憂は照れくさそうに喜ぶ。

  唯 「心配したんだよぉ〜、憂ぃ〜。」

  憂 「もぉ〜・・・お姉ちゃんたら〜。」

  勇は二人のやり取りを微笑ましく見つめる。  

  勇 (・・・無事で何よりだな!だが、もしエクスカイザーやファイバードがいなかったら・・・・・今頃は・・・・。)

  もしもの最悪パターンを考えてしまう勇。一瞬目を細める。

  唯 「う〜い〜。」

  憂 「お姉ちゃん、くすぐったいよぉ〜。」

  だが、二人のやり取りが再び目に入るとすぐに思考転換する。

  勇 (いいや・・・今この時だ!俺は、大切なものを守る手段がある!!しかし・・・。)

  唯 「う〜い〜、う〜い〜・・・・。」

  憂 「お姉ちゃぁん・・・あったかいよぉ〜。」

  勇 (このコ達のやり取りを男に置き換えると、なんともオゾマシイなぁ・・・。)




  勇士朗は、メンバーと遊び終えていつもように帰宅する。すると玄関にある靴が一足増えていた。

  勇士朗 「ん?客か?」

  居間に入るとそこには姉、火鳥香澄が帰郷していた。赤渕のメガネをしており、雰囲気はどこかさわ子に似ているが、スタイルはさらにスマートで小顔だ。

  香澄 「あ!勇士朗。元気にしてた?」

  勇士朗 「姉さん!帰ってきてたの?!」  

  香澄 「まぁね・・・はぁ久しぶりだなー・・・・あんたの顔を見るの。」

  勇士朗 「な、なんだよー。」

  香澄は、プロのアーティストを目指して東京へと上京していた。彼女にとっては久しぶりの実家だった。ちなみに勇士朗や澪の2コ上で桜高の卒業生でもある。

  香澄 「はぁ・・・今月、前に電話で言ってたデビューアルバムのスタジオ収録の予定があったんだけど、変なゲテモノ怪物のせいで色々と予定が狂っちゃってねー・・・・。急遽休みができて帰郷したわけ・・・去年の終わり頃からこんな事件ばっか起こってホント、嫌になっちゃうわー。」

  勇士朗 (実の弟がその怪物とやらと闘っているとは夢にも思わないだろうな・・・・。)  

  親には何も言っていないが、姉には伝えるべきか躊躇する勇士朗。親なら口うるさく言われるだろうが、姉なら歳もそれなりに近いので解ってくれる・・・そう勇士朗は感じていた。

  勇士朗 「姉さん・・・実は・・・。」

  香澄 「ん?」

  勇士朗は、事実を一部始終話した。ファイバードになった経緯、今までの日々、わかっている範囲のデストリアンの事・・・全てを話した。

  香澄 「ふーん・・・・スゲーじゃん!!勇士朗!!」

  勇士朗 「は?!それだけ!?信じてないんじゃない?姉さん!!」

  予想外にラフ過ぎる返答に驚く勇士朗。正直もっと心配して欲しかった。

  香澄 「信じてるわよ!!大体嘘ならそんな真顔であんたは細かい事まで喋れないって!嘘ならすぐ笑うし!仮に嘘ついても何のメリットも無いし・・・。」

  勇士朗 「う・・・で、なんで平気なんだよ?!」

  香澄は、コーヒーをすすりながら一言で済ます。

  香澄 「私の弟だからっ☆」

  勇士朗 「答えになってねー!!」

  突っ込む勇士朗。はっきり言って理屈がさっぱりわからない。だが、香澄は次の瞬間にはきりっとした表情で喋った。

  香澄 「でもね・・・ぶっちゃけ本当の事言うとやっぱり心配よ。実の弟があんなバケモノと闘うだなんて、フツーは在りえないし・・・。」

  勇士朗 「姉さん・・・・。」

  香澄 「ファイバード・・・だっけ?正直複雑な感じかな・・・勇士朗の命は助けてもらったのはいいけど、同時に闘う運命に引きずり込まれたみたいでさ・・・。」