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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第38話

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  勇士朗 「そこの所は誤解だ。話したとおり俺の意思だ。ファイバードは悪くはない。」

  香澄 「じゃあ、死なないって約束っ!!あんた自身で選んだのは解ったけど、死んだら何もならないよ!!」

  勇士朗 「ああ、約束するよ。俺は死なねー。」

  すると香澄は、すっと両腕を広げた。亜全をくらう勇士朗。

  勇士朗 「へ??」

  香澄 「・・・おいで!アッタカイ、アッタカイしてあげる☆」

  勇士朗 「な、なにバカなこと言ってんだ?!ねーさんっ!!話の繋がりからして意味がわかんねー!!」

  確かに。だが、勇士朗は赤面しながら動揺していた。

  香澄 「なによー!今まで頑張ってきた弟への姉からのささやかなご褒美よ!!ほら!来なさい!!」

  言っていることと正反対に香澄が自ら勇士朗に接近する。

  勇士朗 「なにがささやかだ!!だああ!!とか言って自分から来てるじゃねーか・・・・うぎゅうもっ・・・!!!」  

  まるで唯が梓に抱きつくがごとく香澄は勇士朗に抱きついた。勇士朗の顔が香澄のふくよかなEカップの胸にうずくまる。

  香澄 「ゆーくーんっ☆」

  勇士朗 「むもおおおおっ・・・!!」

  なんともこそばゆい感覚を覚える勇士朗。こんなみっともない光景はとても澪に見せられるものではなかった。



  次の日、勇士朗は澪と遊ぶ約束をしており、駅前のターミナルで待ち合わせをしている。

  勇士朗がつく頃には既に私服姿の澪が先に待っていた。正直可愛すぎて笑みがこぼれそうになる。

  勇士朗 「ごめん!澪ちゃん!待たせちゃった?」

  澪 「ううん。私も今来たところだから・・・それじゃあ、いこっか?」

  勇士朗 (澪ちゃん、いつ見ても綺麗でカワイイな・・・。)

  二人は歩き出す・・・が、思いも寄らぬ事態が起こる。ウィンドウをあけて香澄が2人を見物していたのだ。

  香澄 「アツいねー、お二人さん!」

  澪 「え?」

  勇士朗 「な・・・・・!!?あわわわわわ?!!」

  ターミナルに何故香澄がいるのかとテンパる勇士朗。澪も一緒になって困惑する。

  澪 「え?え?誰?!」

  香澄 「あんたもやるよーになったんだなー・・・。」

  澪 「え??知り合いなの?!勇士朗君!!」

  頭を抱え込む勇士朗。

  勇士朗 「・・・・どーもこーも・・・・前に話していた俺の姉さんだ・・・!!!」

  澪 「あ!そうなの?!初めまして!友達の秋山澪です!」

  澪は以前聞かされていたコトを思い出す。勇士朗の姉が、プロのアーティスト目指して上京しているということだ。

  香澄 「香澄よ。いつも弟がお世話になってまーす!」

  澪 「あの、お姉さん、前に勇士朗君からプロを目指してるって聞いてたんですけど・・・。」

  香澄 「え?!私のコト話してくれてたの?!姉想いねー勇士朗は!」

  調子が狂った勇士朗。頭を押さえて溜息をする。

  勇士朗 「はぁ・・・何わけのわからないコト言ってんだか・・・。」

  香澄 「ま、今度メジャーデビューが決まってね!その前に休暇ができたから帰郷したのよ。」

  澪 「メジャーデビュー・・・・!!凄い!!おめでとうございます!!音楽の話、詳しく聞かせてもらっていいですか?!」

  香澄 「もちのろん、オッケーよ!」

  澪の瞳が輝きだす。目の前にデビュー目前のプロのアーティストがいるのだ。無理もなかった。

  勇士朗 「あ、あれ?この流れって・・・・??」



  そして急遽、電車で街へ繰り出すはずが、香澄のドライブの下、街から離れた城山湖を目指す。

  勇士朗 「で・・・どこ行く気?」

  香澄 「城山湖!いままでずっとビルの密集地帯にいたからさー、地元の自然が恋しくなったのよ!あそこは県内の公園50選に入ってるトコだからさ!」

  勇士朗 「だからって・・・俺達を巻き込むなって!」

  香澄 「あら?澪ちゃんは行きたいのよね?」

  澪 「はい!滅多にこっちの方へは来ませんし・・・。」

  香澄 「好きなだけ自然を堪能させてあげる☆」

  澪はいつになく目が輝いていた。下手すれば勇士朗そっちのけとも言うべき状況だった。軽く淋しい気持ちになる勇士朗。

  勇士朗 「澪ちゃん・・・。」

  澪 「それにしてもすごいなー勇士朗君は!お姉さんがデビュー目前のアーティストだなんて!何でこの事今まで言わなかったの?」

  勇士朗 「みんな騒ぎ出したりしちゃうんじゃないかなって思って、なかなか言えなかったんだ。蓮達は前から知ってるけどね・・・。」

  澪 「確かに律あたりが騒ぐんだろうなー・・・・あ!香澄さん、今度よかったらベース教えてもらえませんか?!」

  香澄 「ま、こっちにいる間はいいよ☆教えたげるよ。」

  澪 「わああ、ありがとうございます!!あ・・・お姉さん、桜高出身なんですよね?確か私の2コ上って・・・。」

  香澄 「うん!吹奏楽で軽音やってたわ!当時、吹奏楽部にも一応軽音があったからね・・・・あ!なんか見た事あるなって思ったら、あの軽音部の澪ちゃんか!!」

  澪はパンツ丸出し事件に触れられると思い内心あせり始めた。

  澪 「え?!あ、はい!!」

  香澄 「そっかー・・・あの時、初めてにしては凄くよかったよ!GJ!GJ!」

  澪 「恐縮です・・・でも、上下関係の接点がほとんどなくって私は先輩の事全然知りませんでした・・・。」

  香澄 「そんな細かい事気にしない!」




  現地に着くと、香澄と澪で散策しながら学校や音楽の話で盛り上がる。勇士朗は正直釈然としなかった。

  香澄 「うっそ?!さわ子先生ってそうだったのー?!!」

  澪 「はい・・・部室に来れば素を全開にしてますよ。」

  だが、目の前にいる澪は輝いている。勇士朗からしてみれば当たり前の姉だが、澪からしてみればアーティストが目の前にいることの他にない。勇士朗は余計に淋しくなる。

  勇士朗 「ふぅ・・・。」

  広大な城山湖を見つめる勇士朗。周囲には自然があふれていた。

  休憩地点に到達すると、手前の城山湖の向こうに相模原市が一望できる所へと来る。

  澪 「わぁ・・・市内にもこんな綺麗な景色を見れるところがあったんだぁ!」

  景観の美しさに感動する澪。香澄は鼻高々と自慢する。

  香澄 「まぁねー。ふふん。学生じゃ滅多にこっちには来ないでしょ?自転車でもそれなりに距離あるし・・・・。」

  澪 「そうですねぇ・・・・こっちの方には殆ど行かないなー。」

  勇士朗は相模原一帯を見つめる。今までも、そしてこれからも守っていく街。

  真剣な眼差しで見つめる勇士朗に澪が顔を覗く。

  澪 「勇士朗君?どうしたの?そんな真剣な顔しちゃって。」

  勇士朗 「え?!あ、ああ、今までずっとあの街で闘ってきたんだなってね・・・・。」

  澪 「そうだよね・・・ここまで闘ってきたもんね・・・。」