新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第39話
澪 「そうだ!それで勇士朗君のお姉さん、歌のアーティストやってるんだよ!まだデビュー前だったんだけど、今度デビューするって言って!」
和 「そうなの?!いっその事その人に唯達を見てもらうっていうのもいいかもね!!」
澪 「あははは!そうかもな!あ、それに桜高出身で私達の2コ上の先輩なんだよ!火鳥香澄っていう先輩なんだけど・・・。」
和 「え?!そうなんだ!!うーん・・・・生徒会で各部活に回っていたときはあったけど・・・もしかしたらどこかで会ってたかもね。」
一方カラオケに来た勇士朗達は、大いに盛り上がっていた。姫子と涼がデュエットソングを歌う。
蓮 (うー・・・涼坊ぅ〜。)
律 (案外相性いいかもな。この二人。)
その後、負けじと歌い放つ蓮。その歌唱力は梓や律が圧巻するほどだった。
姫子 「蓮君、すごい!」
涼 「プロも顔負けっす!!」
律 「すげー!!蓮、上手いじゃん!!なんなら今度ヴォーカルやってよ!!」
律の突拍子も無い発言に目を丸くする蓮。
蓮 「ええ?!放課後ティータイムの?!」
梓 「でもそれだと学校で練習できないじゃないですか!蓮さんは他校の人ですし・・・。」
律 「そんなもん、この前みたいに入校許可証付けりゃいいんだよー!!」
梓 「・・・・滅茶苦茶です・・・。」
すると俊が梓にマイクを渡す。次は梓の番だった。
俊 「ほい、マイク。次そうだろ?」
梓 「あ、はい。えへ、ありがとうござます。」
梓が歌う。元々音楽に恵まれていた環境で育った為に、連達に負けず劣らずに上手かった。
思わず見とれる俊。澪の歌に見とれた勇士朗同様、意中の人の歌声は心地がいいものだ。そんな様子を律と蓮が見続ける。
蓮 (おーおー、見とれてるナー俊のやつ。)
律 (今日はどこまでくっつけるのやら・・・。)
梓が歌い終わり、俊にマイクを渡す梓。ハッとなる俊。
梓 「俊さんですよ?」
俊 「お、おう!」
マイクを手にすると、俊は十八番の歌を歌う。俊もかなり歌唱力があった。皆が歌うのを見て、勇士朗は、澪の歌声がまた聞きたい気持ちになっていた。
勇士朗 (はぁ・・・澪ちゃんの歌・・・・また聞きたいな・・・・。)
脳裏には歌っているときの澪が去来する。だが、あれこれ澪のことを想っている内に、俊があっという間に歌い終わる。
俊 「つぎー、お前だぜー。ぼーっとすんなー。」
勇士朗 「へ?!あ、ああ・・・。」
平沢家。今日、唯と光はお家デートしていた。暑いのとクーラーが苦手な唯にとってこれが一番だと光は思ったのでそうしたのだ。ぶっちゃけ光は初めて唯の家の中に入いる。憂が笑顔で迎えた。
光 「ごめんくーださーい・・・・おっす!憂ちゃん!」
憂 「あ!光さん、いらっしゃい!お姉ちゃん、中にいるよー。」
唯 「やっほー。あがってあがってー。」
ぷらんぷらんと手を降りながら寝そべっていた。
光 「おおう、今日もだらけてるねー・・・。」
唯の部屋へと上がって、買ってきたコンビニのお菓子やジュース、デザートを食べながら過ごす。
唯 「んー・・・デザートおいちー。」
えらくお菓子やデザートを食べる唯が心配になる。女の子の体重に関して気遣ったのだ。
光 「そんなに食べて・・・その・・・増えちゃったりしないの?」
唯 「私はいくら食べても太らないんだー。」
光 「あ、そーなんだ!」
一通りのお菓子を食べると今度は、居間で戦国BASARA3をやりはじめた。二人で協力しながら本拠地までせめて行く。光は伊達政宗、唯は鶴姫を使う。
光 「せやせやせやあ!!斬斬斬〜!!」
唯 「ほいほいほい!ピキュンピキュン!!このキャラかわいくって使いやすい!」
光 「そう?どわああ!!砲撃くらった!!」
唯 「援護してあげる!!」
楽しげにPS3を共有する唯と光。2人には幸せなふわふわ時間が流れた。後ろから憂が微笑ましく思いながら2人を見守る。
ゲームを終えてソファーで寄り添う光と唯。憂は純との約束で出かけていた。光はこのシチュエーションに感激していた。
光 (もう・・・・俺、幸せいっぱい・・・。)
そんな光に唯は光の肩を枕代わりにしながら問いかけた。
唯 「ねー、光君は闘っててやっぱつらい?」
光 「え?いや、そんな事無いよ。確かにダメージ食らうと痛いけど・・・それ以上に俺は守りたいものがはっきり見えてっからさ!!そうは思えないよ。」
唯 「私は・・・できれば闘って欲しくない。好きな男の子が傷つくのやだもん・・・。」
いつしか唯は似たような事を言った。気持ちはわからなくも無かった。だが事実、戦闘経験が薄い中で、ダグオンの力を授かった事によってピンチを免れた事もある。
光は唯の髪をなでながら言う。
光 「唯ちゃん・・・・俺のこと想ってくれてありがとう・・・でも、やっぱ俺、闘う。事実ダグオンの力があったから学校で唯ちゃん達を守れたんだ・・・大丈夫。俺、もっと強くなるから。」
唯 「光君・・・。」
目を瞑って光は唯を抱き寄せた。内心思い切った自分にドキドキした。だが、唯は抵抗するどころか光の身体を抱きしめる。
光 (あ・・・・やっぱ、死んでもいい・・・悔いわねー!!(>▽<))
香澄は、景観のいい道路にクルマを止めてコーヒーを飲みながら一息つける。
香澄 「んー!!いい景色!!地元最高!!いい歌詞浮かびそうだな!!」
暑い日差しが照りつけるが、景観側から吹く風が調度よい涼しさを与えてくれる。
香澄 「涼しいー・・・ん?」
その時、香澄の携帯が鳴る。澪からの着信だった。
香澄 「お!未来の妹からの着信か・・・ぷっ!なんちゃって!もしもーし。」
そう言いながら出る香澄。
澪 「あ、もしもし!あの、いつまで滞在しているか聞きたくて・・・香澄さんはいつまでこっちにいるんです?」
香澄 「あたしは後3日間いるよ・・・何?ベース?」
澪 「はい!こっちにいてくれてる内に教えてもらおうかなって・・・。」
香澄 「もち、いいわよ!今からかな?」
澪 「あ、今私、夏期講習中なんで明日でお願いします。」
香澄 「なんなら今日から泊まりで教えてあげてもいいわよ!送り迎えやってあげるから!」
澪 「本当ですか!ありがとうございます!」
香澄 「いいーって、いいーって〜。じゃあ、また終わったら連絡して!じゃね!」
澪 「はい!」
それは、勇士朗の家に初めて行くことも意味していた。澪の楽しみが二重に重なった。
澪 「ふふふ!今度デビューする人にベース教えてもらえるんだぁ・・・それに勇士朗君の家に初めて行くんだ・・・私!」
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第39話 作家名:Kブレイヴ