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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第39話

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  その日の夕方。メンバーは解散し、それぞれの帰路に着く。律と蓮が歩いていると、律の弟である、帰宅途中の聡と出逢った。

  聡 「あ!ねーちゃんに、蓮兄ちゃん!」

  律 「お!聡!今帰りかぁ?」

  蓮 「おおっす!!一緒にかえろーぜ!!またメシ呼ばれっけど、よろしくな!」

  聡 「へへ!蓮兄ちゃんなら大歓迎だよ!ところでさ・・・今日、近所の神社の近くでこんなの拾ったんだけど何かな?」

  聡はごそごそと何かを取り出した。するとそれは小さなドリルだった。

  蓮 「なんだこりゃあ?!ちっちぇードリル。」  

  律 「プラモかなんかじゃないのかぁ?」

  蓮が手に取り持ってみる。だがプラスチックではなく、金属だった。それもおもちゃにしてはあからさまに重量があった。

  蓮 「いや、こいつは金属だ。それに超合金のパーツにしてはなんか重すぎる!とりあえずその神社に行ってみるか!」

  律の家の近所にある大きな神社。羅顔(らがん)神社。今朝事故があった神社の真隣に位置している神社だ。

  羅顔岩と呼ばれる顔の岩が祀られている神社の境内を散策するが、いたって変わったモノはない。

  だが、境内の羅顔岩付近でドリルは、鼓動のようなものを発生させ始めた。そして突如と聡の手から飛び立ち、羅顔岩に直撃した。すると、岩が崩れ、中からロボットの頭のようなものが現れた。

  律 「ろ、ロボット?!・・・の頭?!」

  思いもよらぬ展開に興奮する聡。

  聡 「すげぇえええええええ!!!」

  蓮 「なんか、ファイバードの生首みたいで何とも言えんケド・・・。っていうかなんで神社にロボットが?!」

  その時、突如として轟音が鳴り響く。境内の地面を突き破って巨大な牛が出現した。茶色い体毛、鋭い2本の角。正にミノタウロスのような屈強な身体を持っている。

    ドォカキャアアアアアアアアッ!!

  巨牛 「グウガアアアアアアアアッッ!!!」

  律 「でたああああ!!!てか何故に牛?!!」

  蓮 「やべええ!!逃げるぞ!!聡!!」

  聡 「でも・・・!!」

  その時、巨牛の顔面に向かって、ロボットの頭が突っ込んだ。

    キュオン・・・・ドコガアアアア!!

  そして、その頭だけのロボットは聡の前に着地。更に喋りだした。

  ロボットの頭 『おっす!!おかげで長年の眠りから覚めたぜええっっ!!!俺のはラガン!!遥か昔にこの星に来た宇宙戦士だっっ!!!』

  聡 「超すっげぇえええええええ!!!」

  ロボット大好きな聡は、喋るラガンに目を輝かせてテンションが上がる。

  律 「ラガン?!!」

  蓮 「宇宙戦士?!!新たな勇者なのか??!」

    ゴォオオオッ・・・・ドォゴガアアアアアア!!!

  律 「きゃあああああ!!」

  その時、振るわれた巨牛のパンチが地面を砕く。巻き起こるその衝撃で飛ばされた律が岩の壁で背中を強打してしまう。

  律 「あうっ・・・!!!」

  蓮 「律っちゃん!!!」

  聡 「ねーちゃん!!!」

  ラガン 『むぅ?!!』

  蓮と聡はすぐに律の許へ走る。律に駆け寄った蓮は身体を抱き起こし、蓮は律の両肩を持って問い叫ぶ。

  蓮 「おい!!大丈夫かよ?!律っちゃん!!」

  律 「痛い・・・・ぐぅ・・・げほ、げほっ!」

  聡 「ねえちゃん!!」

  負傷した律に心を痛める蓮と聡。2人の表情は、不安と悲痛さ、悔しさをまぜた表情が浮かぶ。

  巨牛は容赦なく3人に手をかけようとする。絶体絶命。蓮は思わず律を抱きしめた。そして光同様、不甲斐無さに悔しさが灯る。

  律 「・・・蓮!!ち、ちょっと・・・!!げほ!げほ!」

  蓮 「っ・・・ちくしょう!!なんて不甲斐無いんだ・・・俺っ・・・光みたいになりてぇ・・・・・!!そうすれば律っちゃんを守れるのによッッ・・・!!!」

  律 (え?え?!蓮、何言ってるの?!)

  蓮の大胆な発言が律を動揺させる。だが、背中の痛みが律のドキドキを阻む。

  律 「ううっ・・・!!!」

  聡 「くっ・・・!!!」

  その時、耐えかねた聡は駆け出し、その場にあった石を投げて注意を促した。

    ガッ!

  巨牛 「ガァッ??」

  聡 「ねーちゃんと蓮兄ちゃんから離れろ!!こいつ!!こいつう!!」

  石を投げまくる聡。注意は聡に向けられ、巨牛が襲い掛かる。

  巨牛 「グゴォガカアアアアア!!!」

  聡 「わあああああああ!!!」

  ラガン 『どりゃああああ!!』

    ドォカアアアアアアンッ!!!

  その刹那、ラガンがドリルの腕で突き飛ばす。着地すると。聡に問う。

  ラガン 「力が欲しいか?!」

  聡 「え?!」

  ラガン 『俺は、勇気あるモノと融合すれば更に強くなれる!!今から400年前、俺はこの星のこの地で勇気ある者と共に闘った・・・・だが勇気が足りなくてな・・・止む得ずあいつを封印するに至った・・・・・だが、お前からはそん時のヤツを十分に凌駕する勇気を感じる!!!」

  聡 「お、俺が・・・??!ていうかあれってなんだ?!!」

  ラガン 「ん?あいつは妖牛と呼ばれ、このあたりを荒らしていた怪物だ!!何もその、現地人は怪異とか妖(あやかし)とかいっていたな・・・。」

  聡 「妖怪?!!ホントにこんなのいたのかっっ?!!」

  ラガン 「目の前の事が事実だっ・・・さぁ、一緒に闘おうぜ!!名は?!』

  聡 「お、おう!!俺の名は聡!!田井中聡!!」

  ラガン 『いくぜ!!聡!!はあああああ!!』

    ビギュィイイィィィィ!!

  そう言うとラガンは、額からエネルギー波を撃ち出した。そして真紅の巨大な顔面ロボットが召喚される。さらに口が開口し、その中へのゲートが開いた。

  ラガン 『グレンを召喚した!!あの中に入るんだ!!』

  迷ってはいられなかった。気合と勇気で聡はその中へと飛び込もうと構える。

  聡 「・・・・・おっしゃああ!!!」

  その姿を見た律は蓮に抱きしめられながら手を伸ばして叫ぶ。その刹那、蓮もその方向を向く。

  律 「さ、聡ぃ・・・!!!」

  蓮 「え?!!」

  蓮と律に視線を送られながら聡はその中に飛び込んだ。その中は不思議な空間だった。何ともいえない空間だ。あたかも宇宙空間に投げ込まれたような感覚だった。そしてラガンは、足のみからドリルを出して、グレンの頭上へと突き刺さる。

  ラガン 『フォームアップッッ!!!』

  その叫び声と共に、屈強な両腕と両脚が飛び出し、更には鋼の甲冑のようなアーマーが腕と脚の甲に装備された。中の空間内が全体モニターとなって、聡を中心に周囲の映像を映し出し始める。

  いわば、「機動武闘伝Gガンダム」のモビル・トレースシステムのコックピットのようだった。

  聡 「すげぇ・・・。」

  更にラガンの頭部に三日月のような金色の飾りが浮かんだ。