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魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1

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病室を発ったゴードンは、長く続く廊下を歩いていた。

アレックスが無事だったのは良かったが、自分の為に無理をしていた事が自身の心中に切なく感じる。

「逆に、来ない方が良かったのかもな……」

後悔を拭えぬまま、ゴードンは歩き続ける。

すると突き当たりの左の曲がり角から、大量の書類を両手に抱えた一人の女性が自分の方へ向かって歩いて来た。

見るからにぎこちない歩き方をする彼女を見て、ゴードンは苦笑いをしてしまう。

「おいおい……無理しちゃって…」

彼女を手助けしようと近づこうとしたその時、ゴードンの視界が急に何かに遮られた。

「うおっ……!?」

「きゃっ……!?」

女性が蹴躓いたらしく、持っていた大量の書類がゴードンの眼前に倒れて来たのだ。

抵抗出来ぬまま、大量の書類を頭上から被り立ち尽くすゴードン。

当の彼女は俯せに倒れ、その拍子に長いグリーン色の髪を揺らしていた。

「………」

「いたたた………はっ…!?…す、すみません!私ったら……ああ、書類が…!」

「……相変わらず無茶が好きだな、お前は…」

「本当にすみません!本当に………あれ?…その声は?」

視線を下から上に変えれば、金色の短髪の男性――ゴードンが自分を見下ろしていた。

「ゴードン?」

「おう、ジュリア」

迷惑をかけた相手が同僚であるゴードンだと知り、焦りの表情を緩めるジュリア。

「なんだぁ……良かった」

「良くねぇよ」

「あはは…冗談だよ。悪いけど拾うの手伝ってくれる?」

「ったく……しょうがねぇなぁ…」

言われるままに床に散乱した書類を拾うゴードン。

互いに拾い続ける中、ゴードンが手にした一枚の書類。

その書類には『古代暦の実態』という題目で、文章や円グラフなど分かり易くまとめられていた。

「ジュリア、この『古代暦の実態』って……?」

「ん?……ああ、それね。ほら、一週間前にルーファ遺跡で発見された謎の機械装置があったじゃない?ゴードンも知ってるでしょ?」

「ああ。新聞やテレビに引っ張りだこだったもんな」

彼らが話題にしている『ルーファ遺跡』とは、古代暦に栄えていた都市の一つである。約100年前に発見され、歴史的価値としても大変重宝する物であった。

だが、『審判の日』の被害により大半の建造物を失ってしまう。

それにより『機械装置』が発見出来たのは、皮肉としか言わざるをえない。