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魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1

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「余計な詮索はしなくていいの。用が済んだなら早く出なさい」

「しかし…!」

リアの返答は二度と無かった。一部始終ノートパソコンに向いた上官の横顔は、言葉にせずとも何を意味しているのか容易に理解出来た。

“下の者が知る必要は無い”と――。

「落ち着けジュリア。機械装置が何なのかはいずれ分かる事だ。俺達が詮索する事じゃねぇ」

「………」

「ほら、行くぞ」

立ち尽くすジュリアを尻目に、ゴードンは扉へと歩き出す。

「……申し訳ありませんでした。失礼します…」

不満を拭えぬまま逃げるように退室するジュリア。

「お、おい!?…リア三尉、失礼します!」

リアの返事は無かったが、それを気にもせずにゴードンは走って退室していった。

ルーム内に静けさが戻り、リアは黙々と作業を続ける。だが、不意に中断し椅子の背もたれに深々と寄り掛かった。

「……私だって……分からないわよ…」

上官の本音は誰にも届く事無く、ただルーム内に静かに響いていた――。










「待てよ!」

ミーティングルームを出た後、ゴードンは未だジュリアの後を追い続けていた。

当のジュリアは向かう場所がある訳でもなく、ただ廊下を早足で進んでいた。

「待てって!!」

「!?……放して!!」

後ろから右腕を掴まれたジュリアは、立ち止まってそれを振り解く。

「あ………ごめん…」

「……ジュリア…」

「………」

静寂が周囲を支配する中、廊下に設けられた空調設備の稼働音だけが一際聞こえていた。

その音が大きく感じる程に――。

「………私ね……焦ってるのかもしれない…」

「焦ってる?」

「うん……。周りは私を“悪魔の娘”って言って期待してるけど……私はそこまで優秀な人間じゃない…」

「そんな事…」

「ゴードン……期待されてる人はね……その身に受ける重圧に苦しめられるの。永遠にね」

「………」

「だから、あんな事言ったのかな。少しでも苦しみを和らげる為に…」

苦笑いを見せるジュリアの表情は、皮肉にも彼女の可愛さを引き立てていた。

それは、笑顔が似合う彼女だからこそなのだろう。

「……無理……しなくてもいい…」

「…えっ…?」

「周りが何を言おうと……お前はお前、一人の人間だ。確かにマーク一佐の子という事実は大きい。けど、自分の人生を他人に振り回されてたら元も子もないぞ」