魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1
開始直後、空気圧の音が発せられルームの扉が開いた。
それを合図として、着席していた各小隊長は起立し、補佐官共々開かれた扉に注目する。
扉の奥には二つの人影。
最初に入室したのは、金髪のショートヘアの女性――リア=ギル三等陸尉。
そして最後に入って来たのは、ダークブルーの短髪をした男性。
威圧にも似たオーラを放つ彼の姿は、フレイア本拠地のトップ且つ一等陸佐の貫禄を見事に見せつけていた。
彼の首もとで揺れるドッグタグ。
それには、名前が刻まれていた。
『ヒビキ=ナカジマ』――と。
「敬礼!!」
第1小隊の隊長である赤髪の短髪の女性――レディナ=ドラーツェ三等陸佐の号令で、全隊員はヒビキに向かって敬礼をした。
ただ一人――ガリエルだけは怠そうな動きをしていた。
正面に立ち止まったヒビキとリアもまた、隊員達に敬礼を返す。
「皆、先刻での戦、ご苦労だった。また君達の顔を見れた事、嬉しく思うぞ。………特に第8小隊、クレイヴ=アーチェス隊長…」
「はっ」
「あの局面をよくぞ耐え抜いた。その武勇、英雄と呼ぶに相応しい」
「有り難きお言葉。しかし、今回の功績、第5小隊隊長レイル=フォスター一尉の助けがあってのもの。彼にこそ、賞賛の言葉を贈るべきです」
「ふむ。そうだな。フォスター隊長…」
「はっ」
「君の力……私の下に留まるに十分過ぎるようだ。それに……」
ヒビキの視線は、レイルの隣に立つT−900に向けられる。
見つめられて動揺する訳でもなく、T−900の表情は無機質のまま変わっていない。
「君の小隊は、『特別』……だからな」
「ヒビキ……遠回しの発言は癇に触る。口にするなら直接言ってもらいたい」
「貴様!!…言葉を慎め!!」
T−900に詰め寄るレディナであったが、間にミレーユが入り拒まれる。
「ふっ…すまない。ではT−900、戦場での君の活躍は聞いている。君が我が軍に参入してから、Peaceの戦績は鰻登りだ。私、いや……皆、君に感謝しているんだぞ」
「………」
「今後の活躍に期待する」
「……了解」
「……さて…」
円形デスクの椅子に腰掛けたヒビキは、リアにアイコンタクトで指示を出す。
「小隊長の皆さん、椅子に腰掛けて下さい。これからミーティングを開始したいと思います」
リアの指示に促され、各小隊長は着席をする。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1 作家名:神威