魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1
「まずはこれを見てくれ」
ヒビキが言うと、リアは空間モニターに触れ画面を切り替える。因みに、他の画面と連動している為、動作が同時に行われている。
表示されたのは、議題である機械装置の詳細。
そのモニターの中央に機械装置の全体図があり、ゆっくりと横回転していた。
「これは……?」
「機械装置だ」
「へぇ……これが…」
レイルが問いかけ、ヒビキがこれに答える。そして、身を乗り出してモニターを見つめながらガリエルが続けて言った。
他の隊長もモニターに注目し、それを元に互いに意見を話し始める。
「ちょっと待て……これ…?」
ガリエルが何かに気付き、モニターに顔を近づける。
「気付いたか……。これは……『移転装置』だ」
ヒビキの一言で、ルーム内にどよめきが起こる。
移転装置はさほど珍しい物ではない。
『審判の日』以前でも日用的に使用されていて、現在でもその利用価値は変わらない。
その移転装置が注目されている機械装置だったという事実に、周囲は驚愕と落胆に包まれた。
「ヒビキ一佐……冗談はよして下さいよ。これが移転装置なら、俺らは何の為に集まったんすか?」
ガリエルの発言は、各隊長及び補佐官の心中の的を射ていた。
だが、後のヒビキの一言により、真の真実を知る事となる。
「本質が重要ではない。これが………『未知の動力源』で稼働している事が問題なのだ」
再び起こるどよめき。
科学的に稼働している移転装置なら話はそこで終わりだが、“未知”となると別である。
彼らのモニターを見つめる視線が、真剣な物へと変貌した。
「科学的ではないとすると、一体どうやって……?」
「分かりません。本当に“未知”なのです」
「おいリア、そんな返答ありかよ?」
クレイヴ、リアと続き、ガリエルが言った。
「次の画面を見て下さい」
「無視かよ……」
リアによって操作されたモニターは、別の画面へと切り替わる。
内容は、移転装置の内部構造。
特筆すべき部分の一つ一つに解説や機能などが表示されている中、一際目立つ物があった。
中心部に碧く輝く、球体状の『何か』――。
幻想的に見えるそれは、“未知”の存在である事を物語っていた。
「これが動力源……ですか?」
無機質な表情を変えずに、T−900はヒビキに問いかける。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1 作家名:神威