魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1
「……う…嘘だろ…!?」
第一声はガリエル。その顔は、驚愕の色に染まっていた。
「古代暦に…“魔法文明”が存在した……!?」
レディナもまた、驚きの表情を隠せなかった。
「まだ仮定の段階だ。証拠が不十分だからな。暗号が『魔法』に決まった根本的な理由はそれだ」
「それともう一つ……『魔法』という言葉でスカイネットを混乱させる事も理由に入ります。彼らも魔法の存在は知らない筈だから、少なかれ効果は得られると思います」
落ち着いた口調でヒビキとリアはそう言った。
「魔法……もしそれが存在するのなら、強大な戦力になる…」
「ああ、“あったら”の話だがな」
T−900の意見に、レイルが食って入る。
それを聞いていたのか、そうでないのか――ヒビキの口元は釣り上がる。
「今回の議題はトップシークレットです。外に漏洩する事、断じて許しません。最近『信奉者』の動きは活発ではありませんが、油断はしないで下さい」
「リア、『信奉者』とは?」
「あ、そうか。貴女はPeaceに入って日が浅いから分からないのね。じゃあ、教えてあげる。
『信奉者』……それは人間が機械…スカイネットに味方した集団よ。世間では“恐怖に平伏した臆病者”って罵られているけど、その戦闘技術は他を圧倒しているわ。スカイネットから人間を招き入れているという情報もあるし……。
そして此処が重要…。信奉者にはそれぞれナンバーが割り振られ、体の何処かに烙印が押されているそうよ。ま、区別しやすいってのは何よりの救いね」
「………」
リアの説明を聞いたのち、T−900は視界を赤く表示する。
周りを見渡す。と言うより、自分に視線を合わせる人間を見る。
サーモグラフィーのように表示された人間の中から、信奉者のナンバーが付いた人間を探し出す。
結果は――
『NO PERTINENT PERSON』=『該当者無し』
――当然ながら、このミーティングルームにはそのような人間はいなかった。
「T−900、お前が確認せずともこのルーム内……いや、この基地には裏切り者などいない。少しは人間を信用しろ」
「はい。申し訳ありません、レイル」
「ふっ…そう言うな、フォスター隊長。初めて信奉者の事を知ったのだ。最初に我らを疑うのは道理だ」
ヒビキの言葉に、やむを得ずレイルは納得する。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1 作家名:神威