魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1
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銃声と爆音。
マシーンの稼働音。
四方から飛び交う断末魔の叫び。
廃墟と化した都市に響くこれは、皮肉にも一つのBGMとして形を成していた。
都市の名はフレイア。
『審判の日』以前はロスト随一の経済都市だった。
軍事施設も多くあった所為か、スカイネットの最初の標的にされその被害も絶大であった。
現在はPeaceの主要拠点として機能しているが、今――スカイネットの攻撃を受けている状態だ。
人間と機械との戦い――これが今の世界の現状なのである。
「くそっ……埒が明かねぇ…!!」
「敵の数が多すぎる!!」
銃声を鳴らしながら、Peace所属の兵士がそのような言葉を漏らした。
劣勢である事は、緊迫した雰囲気から見て取れる。
だが、迫り来る無機質な音は無情にも追討ちを掛けてくる。
「これで……!!」
黒人男性の兵士がマシーンの群れに手榴弾を投げつけた。
手榴弾はターミネーター、T−790の集団の足下に落下し、一体のターミネーターがそれに気付かずに踏み付ける。
その瞬間、閃光が走り大爆発を起こす。
波状に広がる爆風。
数体のターミネーターは木の葉のように吹き飛ぶ。
踏み付けたターミネーターは、下半身がバラバラに砕け上半身のみの姿に変わる。
「へっ!!……ざまぁねぇぜ!!」
黒人兵士が崩れた鉄骨を背に左腕でガッツポーズを作る。
「やるじゃねぇかアレックス!」
「おうよゴードン!今日の俺は冴えてるぜ!」
黒人兵士の名はアレックス。そして彼の左側で鉄屑と化した車を背にする、白人男性の兵士ゴードン。
彼らは今、この拠点の第3エリアの防衛の任を任されている。
既に第4、第5エリアはスカイネットによって制圧され、この第3エリアも陥落寸前の状態だ。
「よし!ゴードン、攻め立てるぞ!」
「大丈夫か?」
「言ったろ?今日の俺は冴えてるって!」
言い終えると同時に、アレックスはマシンガンを手にマシーンの群れに向かって走り出した。
「ちっ!……しょうがねぇなぁ………お前等、行くぞ!!」
後に続くゴードン。そして彼に追随する兵士達。
「おらおらおらーーー!!」
マシンガンの銃口をT−790の集団に向け、弾を連射するアレックス。
左から右へ薙ぎ払えば、ドミノ倒しのように倒れていくターミネーター。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1 作家名:神威