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魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 1

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「………」

鉄屑と化したT−G800を無言で見つめる。

言葉を発する必要は無いと判断したのか、はたまた無口なのか――。それは本人にしか分からない。

右手には撃ち終えたバズーカ砲が、左手にはマシンガンが握られ、更に肩にはライフル銃が掛けられている。

重装備にも関わらず平然としている彼女は、人とは異なる存在である事を改めて実感させられる。

空のバズーカ砲を投げ捨て、マシンガンを両手で構えて前進する。

この第4エリアには味方はいない。

いるのは敵のみ。

それを知って尚進む彼女は、余裕すら感じさせる程落ち着いていた。

そして、一歩二歩と歩き出したその時、彼女の通信機に聞き慣れた声が発せられる。

《こちら第5小隊隊長、レイル=フォスターだ。聞こえているなら返事をしろ》

ノイズ混じりに聞こえるレイルの問いに、彼女はいつも通りに返答する。

「受信……完了。聞こえています、レイル…」

《そうか…。いつも言っているが、その機械じみた返答はやめろ。人はそのような言い方はしない》

「申し訳ありません。しかし、私は機械……ターミネーターです。人にはなれない」

《……もういい。お前には別任務を与える。至急第3エリアまで後退し、第8小隊の援護に向かってもらう》

「第8小隊……クレイヴの…?」

《ああ。Fの空爆に苦戦しているらしい。いけるか?》

「当然です」

《よし。座標ナンバーは後で送信しておく。頼んだぞ、T−900》

「了解」

通信終了と共に、方向転換を開始する。

『T−900』――それが彼女の名前。

いや、『型名』――といえば分かり易いだろう。

彼女は人型ターミネーター。

元敵である人類に味方し、元味方だった同志を倒す。

機械を倒すのに躊躇はしない。

ターミネーターにそのような感情は皆無。ただ下された命令に従うのみ。

彼女の生き方は、最初から変わらない。

これからも、ずっと――。

そして、第3エリア突入まで後数メートルの所まで差し掛かっていた。