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魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2

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鈍い音がフェイトの耳に入る。

その衝撃に耐えられず、彼女の体は工場の機器を蹴散らすように壁に激突した。

「がはっ…!?」

吐血し、壁にもたれ掛け座り込む。

「クリーーンヒット!フェイト君、油断大敵!」

「くっ……ごほっ…!?」

「鳩尾だからね。多分内臓何カ所かいってるし、動けないと思うよ」

歩いてフェイトに近づくクラウスは、尚も笑顔を絶やさない。

その笑顔は――不気味にも見えた。

「バリアジャケット……考え直した方が良いね。外部に強くても、内部衝撃とかにはてんで弱い。だからこんな事態を招く…」

バリアジャケット――自らを守るだけではなく、存在意義を示す魔導師や騎士の象徴。

だが、彼は魔導師であるのにそれを纏っていない。

先刻のフェイトの攻撃で所々が破れ出血しているのを見ると、彼は服を着用している事が分かる。

「ジャケットに身を任せてちゃ必ずぼろが出る。魔導師や騎士はまず自身を守る事から覚えなきゃ」

「減らず…口を……!!」

「僕は敢えて纏わない事にした。自身を“守る”為にね。でもこれは例外。フェイト君の攻撃を直に受けてこそ、君と密接になれる。変態に見える?」

フェイトを覗き込むように見つめる。当のフェイトは彼を睨み続ける。

「………」

「だって君を愛してるんだもん!当然の事さ!」

クラウスは更にフェイトに近づき彼女の耳元に頭を近づけた。

「フェイト君にだけ、特別に教えてあげる…。君達管理局は、僕の能力を履き違えている…」

「……どういう……事だ…!?」

耳元で囁く彼の言葉に、フェイトは苦しみながらも疑問に思う。

「いや、僕が見せていないからそうは言えないか。死した生命体を操れるのは、先程証明したよね?でも……後一つ欠けてるんだよ。何だか分かる?」

「………」

「黙るのは当然か。この状況で考えさせるのは酷だもんね。じゃあ、ヒントあげる」

危機的反応だろうか――フェイトの頬に一筋の冷や汗が流れる。

「僕が事件の度に人を操ってた時、気付かなかった?」

「……えっ…?」

「“何であいつは一度も疲れた顔をしない?”ってね…」

「……!!!」

不意に、フェイトの腹部にクラウスの左手が置かれる。

「それは簡単………こうしたからだよ!!」

「!!!」

「『ドレイン』!!」

発動直後、クラウスの左手に大気の渦が発生し、その反動でフェイトの体は仰け反り状態になる。