魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2
左手のクロスミラージュの魔力刃で防いだティアナは、もう一丁のクロスミラージュで相手に突き攻撃をする。
しかし、空振りに終わる。
飛躍したクラウスは、宙返りを繰り返し、その速度を利用してデバイスを縦に振り下ろした。
「はあっ!!」
床に散らばる鉄屑が四方に飛び散る。
ティアナは落ち着いてバックステップでかわした。
直後、右手のクロスミラージュをガンズモードに変え、魔力弾をクラウスに向かって数発撃つ。
シールドで防御するクラウスだが、2発、3発と重ねていくにつれて衝撃が強くなる。
4、5発で耐えられなくなり、再び吹き飛ばされ瓦礫の山に埋もれる。
「いけるっ……!!」
勝利を確信し、ティアナは勝ち誇った顔を見せる。
右手をダガーモードへ戻し、構える。
その刹那に、瓦礫の隙間から魔力弾が2、3発放たれた。
シールドを展開し防御するが、この衝撃は感じた事のある物だった。
「!?……まさか…!?」
思考した束の間、2発目の魔力弾を止めた瞬間反動で遠くへ吹き飛ばされてしまう。
「きゃっ……!?」
側壁近くまで吹き飛び宙返りをして何とか着地した。
クラウスを見据えた時には既に、彼は瓦礫から抜け出していて立ち尽くしていた。
「君に出来て僕が出来ない訳がない」
「ぐっ…!!何故そのような技術を持ってるのに、管理局、正義の為に使おうとしない!?」
「管理局なんて偽善の塊さ。僕達市民は“正義”の文字に裏切られた。一年前に死んだレジアスが何よりの証拠だ」
「………」
「奴は市民の支持を得ていた。だが偏った正義によって自滅したと知った時、僕は管理局を更に憎悪するようになった。自らの地位の為だけに“正義”の言葉を吐いた奴は……当然の結末に終わったのさ」
「違う!!中将は本当に市民の為に尽力していた!!ただ、道を違えただけでその志は本物だった!!」
「君に説教される筋合いはないよ…。君は此処で潰えるんだから…」
歩いてティアナに接近する。
「その自分勝手なとこ……!!」
右手のクロスミラージュを前に突き出し、魔力スフィアを大量に空中に浮遊させる。
「大っ…嫌い!!」
一斉にクラウス目掛けて魔力スフィアを放つ。
大量の魔力スフィアが直線を描くように的を目指す。
的を正確に捉えたが、クラウスは先刻とは異なり余裕で歩きながらシールドで防御する。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2 作家名:神威