魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2
「基礎能力は高いけど、格闘に関しては素人並でした。でも、魔法は群を抜いていました。魔法で自身を能力アップさせ、私の動きにも着いて来れた…。ランクはAAAかそれ以上かも…」
「そうか。だが、お前の状態はかなりの重体だったぞ?それはどう説明する?」
「……奴は、『レアスキル』を持っていた…」
『レアスキル』――魔法資質ないし非魔法資質者が生まれながらに持つ特殊能力の事である。その所有者は極僅かしか存在しない。
「“レアスキル”だと!?どんな能力だ!?」
「奴は“ドレイン”と言っていました。他人の魔力を吸収し、リンカーコアの器を増大させる魔法のようです」
「“ドレイン”?何処かで聞いたような…?」
「知っているのか、シャマル?」
右手を顎に当てて考える。思い出したようで、シャマルは左手の掌を右手をグーにして当てた。
「そうだ!以前患者さんにレアスキル所有者がいて、それを調べている最中にその項目を見つけたのよ!」
シャマルは空間モニターを出現させ、操作する。
「珍しい物だったから保存したのを覚えているわ」
忙しなく空間キーボードを叩く。
「あっ、あった。送るわね」
フェイトとシグナムに送信する。2人の目の前にも空間モニターが現れ、同じ物が表示される。
モニターには、『レアスキル早見表』と題名が書かれ、すぐ下に『現在判明による』と付け足されていた。
た行の欄にいろんなスキル名がある中、それは、特に注目されて記載されていた。
「“『ドレイン』……誕生年月…不明。旧暦以前から存在していたとされるレアスキル。意味は、『魔力吸収』。自分以外の魔力を吸収し行使出来る。器であるリンカーコアを無限に増幅する事が可能。歴史上最も最凶の魔法で、全次元世界を震撼させた。第4代聖王ディエルス=ステイルは、この魔法を根絶する為、一族諸共殲滅を決行した。”…」
黙々と読み上げるシグナムだったが、引っかかる言葉に疑問を感じたのか、読むのを中断した。
「“一族”とはどう言う事だ?」
「それに関しては最後に記載されているわ。“最凶”と言われた理由もね…」
画面をスクロールすると、シャマルが言った通りしっかりと記載されており、文は締められていた。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2 作家名:神威