魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2
「用事ってなん?なの…は……ちゃん…?」
はやてが見据えた光景は、想像とは異なっていた。
門前に佇んでいた人物は、なのはを含め、4人いた。
なのはは愛娘のヴィヴィオと手を繋ぎ後ろにいる。
その前には、はやて自身も体調を心配していた2人がいて自分を見つめている。
突然の事で、はやては凍り付いたように動かない。
「あ……」
「はやて、フルーツ美味しかったよ。ありがとう」
「ママに渡してくれたお菓子、美味しかったよ。はやてちゃん、ありがとね」
「………」
はやての瞳から一筋の雫が零れ落ちる。
やがて彼女の表情は泣きじゃくり、門前にいる2人に近づき、門をゆっくりと開いた。
「フェイトちゃん……グレースちゃん……」
「うん」
「心配掛けてごめんね」
刹那、はやては2人同時に抱きつき声を上げて号泣した。
「うわあぁぁぁぁぁぁ…ッ…!!2人とも…ひくっ……無事で良かったなー!!」
「はやて…」
「く、苦しいよ!はやてちゃん!」
「うわあぁぁぁぁぁぁん…!!」
「聞いてない…」
はやては2人から離れ、鼻を啜りながら涙を流し続ける。
「ごめんな…ひくっ…グレースちゃん。ぐすっ…フェイトちゃんも…」
「ううん…」
「予想してたから大丈夫よ!」
「はは……グレースちゃんらしいわ…」
その光景をじっと見つめていたヴィヴィオが、頭に疑問符を浮かべたような表情でなのはを見据えていた。
「んん?どうしたの、ヴィヴィオ?」
「何ではやてさん泣いてるの?」
「私達に会えて嬉しいからだよ」
「…んん?」
「まだヴィヴィオには分からないかな?」
「………」
するとヴィヴィオはなのはから手を放し、はやてに近づいた。
「泣かないで。美味しいお土産持って来たから…」
「ぐすっ…はは…ヴィヴィオ、悲しくて泣いてるんちゃうねん」
「……?」
「これは“嬉し涙”っちゅう奴や。でも、お土産は有り難く戴くわ……ヴィヴィオ、ありがとな」
「うん!!」
笑顔を向けるヴィヴィオに、はやては微笑みを返す。
「はやてー!どうしたんだー?」
家の奥から女の子の声が聞こえてくる。
ドアが開きっ放しの為、彼女の姿はなのは達には筒抜けになっている。
赤髪で三つ編みを2つに束ね、白と黒を基調としたボーイッシュな格好をした女の子――はやてのヴォルケンリッターであり家族である、ヴィータが外を覗いていた。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2 作家名:神威