魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2
「大隊長であるハリー中将にはお世話を頂いております。貴女の御父上は偉大な方です」
「ありがとうございます。それと、そんなに固くならなくても良いですよ?」
「これは私の性分でして、どうする事も出来ません」
「グレースちゃん、シグナムはどう説得してもてこでも動かへんで?」
呆れ口調ではやてが言うと、グレースは苦笑いして“そうみたいだね”と言い納得した。
「今夕食中やけど、なのはちゃん達も食べへん?」
「良いの?」
「当たり前や。お土産を貰った手前、おもてなしをせーへん訳にはいかへんからな」
「“お土産”!?お土産あるのか!?」
ヴィータが瞳を輝かせうきうきさせながらはやてに迫る。
「これがグレースちゃんの奴。そしてなのはちゃんが持ってる奴や」
「私はショコラケーキ、なのはちゃんとフェイトちゃんの合作…チーズケーキもあるよ」
それを聞いたヴィータは飛び上がるように喜び、見た目相応の反応を見せた。
「やったーーっ!!はやて、早速食べよう!!」
「夕食が済んだ後や。それまで我慢や」
「ぶーーっ!!」
そそくさとケーキの入ったボックスを冷蔵庫にしまうはやてを見て、ヴィータは頬を膨らませ挫ける。
「楽しみに思った方が数倍美味しくなるわよ、ヴィ…」
グレースはある光景に目を奪われ、言葉を切った。
シグナムの右肘辺りから、声――というより食べる音が微かに聞こえた。
そーっと覗き込んで見てみると、黒を基調とした服を着た、リインと同じ体格のストレートの赤髪の女の子が、むしゃむしゃとひたすら料理を食べていた。
「シグナムさん、その子は…?」
「えっ?こ、こらっ、アギト!!客人の前ではしたない事をするな!!」
「むしゃむしゃ……ん、どしたシグナム?……てかアンタ誰?」
ユニゾンデバイスであるアギトが、グレースに向かってそう言い放った。
直後、シグナムがアギトの額にデコピンをお見舞いした。
「あいたっ!?」
「口を慎め!!この方は大隊長ハリー中将の御子女だ!!」
「いつつ…!あのハリーの旦那の…?」
「“中将”……と呼べ!!」
「ちゅ…“中将”の…」
シグナムの圧力めいた顔に怯み、アギトはひきつった表情になる。
「ははっ…!貴女、パパの事“旦那”って呼んでるの!?」
笑いながら問うグレースに、アギトは胸を張った態度を取る。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2 作家名:神威