魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2
「おうよ!旦那は男の中の男だ!市民のみならず局員全てに期待されてる!人間の鑑だな、あの旦那は!」
「はははっ…!娘として嬉しいわ!私はグレース!貴女とは仲良く出来そう!」
「アタシはアギト!宜しくな、グレース!」
グレースの指と小さなアギトの掌が重なり握手する。
「申し訳ないグレース三尉。こいつは常識に疎い奴でして…」
「気にしないで下さい。むしろ私は彼女のようなはっきりとした子は好きですし…」
「……?」
グレースが一瞬見せた寂しい表情。
シグナムは見逃さなかったが、その理由が分からず疑問に思ってしまった。
“空気をぶち壊してしまったら元も子も無い”と考え、深く追求するのを止めた。
「さっ、みんな座ってや。ご飯食べるで」
「わーい!!」
ヴィヴィオの嬉しい感情は全員に浸透し、楽しい食事会が始まる――。
食事も終了し、賑やかだった居間は現在落ち着きを取り戻している。
テーブルにはそれぞれお皿の上に、ショコラケーキ、チーズケーキと疎らに残っていた。
他を挙げると、紅茶やコーヒー、ココア等が人数分置かれている。
台所ではシャマルが食器を洗っていて、ヴィータ、ヴィヴィオはテレビの前で横になりザフィーラを枕代わりにしていた。
リインとアギトもその場にいて、ヴィータの頭にはアギト、ヴィヴィオにはリインと、人形のように足を伸ばしてちょこんと座っていた。
以外の者はテーブルの椅子に座り、その光景を和やかな目で見つめていた。
「ヴィヴィオ、このアニメ見てるか?」
「見てるーっ!ヴィータお姉ちゃんも?」
「勿論だ!ギガ面白れーしな!」
「ギガ面白ーい!」
「ギガ面白いですーっ!」
「姉御の言う通りだ!」
「ヴィータちゃん、ヴィヴィオに変な言葉覚えさせないでね?」
「“ギガ”は世界共通語だ!なっ、ヴィヴィオ?」
「ギガーーっ!」
右腕を上に掲げる義娘(むすめ)を見て、なのはは呆れ果てがくっと俯いた。
「なのはちゃん、お義母(かあ)さんは大変やなー?」
「うーー、はやてちゃん茶化さないでよー?」
「いやいや、感心しとるんよ?義娘の教育も頭に入っとるなんて、二十歳では考えられへんしな?」
「ほんと。同い年として尊敬に値するわ」
「はやてちゃん…グレースちゃん…」
何とか復活したなのはを、フェイトは彼女の頭を撫でて褒める。なのはは頬を紅潮させ、それに甘えていた。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2 作家名:神威