魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2
他の局員とは明らかに異なる姿――。
“ある”教導官をベースに作られた、白を基調としたバリアジャケット。
彼女の両腕に握られた拳銃型のデバイス――クロスミラージュ。
『ストライカー』の称号に恥じぬ、神々しさを纏っていた。
「フェイトさん……無事でいて下さい」
声に出すつもりはなかったが、心配さ故に口にしていた。
それは、ティアナを含む全員の思いを表現していたに違いない。
「う、うわっ……!!」
ふと、そのような声――というより悲鳴が、遠くから聞こえてきた。
被害者の女性の遺体を車に運んでいる最中に出したらしい。
即座に駆けつけたティアナは、状況確認の為局員に問いただす。
「どうしました?」
「い、遺体が勝手に…っ…!?」
「遺体……?」
遺体の方を見ると、常識では考えられない事が起きていた。
ティアナは、それに釘付けになってしまった。
担架で運ばれていた遺体が、上半身だけ起き上がり直立していたのだ。
「ど、どういう事…?クロスミラージュ?」
「Though her death was confirmed.」――
「死亡は確認しましたが…」
遺体はその後、更に動き出す。
担架から降り頭を垂らしてその場に立ち尽くした。
「た、立った……!!」
「皆さん、遺体から離れて下さい!!」
叫びにも似た指示で、ティアナは局員、警邏隊に告げる。
遺体を中心に離れていく人だかり。
ティアナ及び武装局員は警戒して見つめる。
刹那、その遺体が魔法を発動させた。そして、灰色の魔力光は剣の形になり、遺体の右手に握られる。
「ティアナちゃん、遺体にはリンカーコアが無い!!魔法は使えない筈よ!!」
黒のショートヘアの女性武装局員――グレース=レイヴン三等陸尉が、ティアナに助言する。
「グレースさん……じゃあ…まさか!?クロスミラージュ、調べて!!」
「Yes,sir.Magic retrieval beginning.It is retrieving.」――
「はい、サー。魔力検索開始。検索中…」
その突如、風を切る音と共に遺体の姿が消えた。
「……え!?」
「Sir!!Mode two!!Dagger mode!!」
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2 作家名:神威