魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2
刹那の爆音。
土煙が立ち籠め、辺り一面を隠す。
土煙の隙間から、魔力同士の衝突により生じた火花が顔を出す。
土煙が晴れると、遺体の突撃を辛うじて防いだティアナの姿があった。
「ティアナちゃん…!!」
ティアナの両腕には、オレンジの魔力刃を出現させた――モード2、ダガーモードのクロスミラージュが握られていた。
「危なかった……。ありがとうクロスミラージュ」
「You’re welcome.It turned out by the magic contact.It is concluded that magic is Klaus=Yeager’s thing.」――
「いいえ……。魔力接触により判明。魔力はクラウス=イェーガーの物と断定」
「遺体も操れるなんて、聞いてないわよ…」
管理局のデータベースには、犯罪者クラウス=イェーガーの情報もあった。
彼の写真や特徴、能力、犯罪履歴など余す所なく記されていた。
バスターに入隊する以前から情報に目を通していたが、そのような情報は初めて知った。
“生ある生命体のみ、自身の魔力で操る事が出来る”
“もしかしたら”――という曖昧な考え方をした事もあった。
“死んだ生命体なら?”――とかも考えた。
だが、情報を信じ、考えない事にした。
しかし、そんな事が裏目に出るなんて思いもしなかった。
ティアナの心はそのような後悔の念で満たされていた。
「考えてもしょうがない!!全力全開で行くっきゃない!!」
クロスミラージュをクロスして構え、思いっ切り両腕を前に振った。
互いに体ががら空きの状態になる。
「ごめんね……」
右肩に魔力を送り、相手の体に密着させる。
瞬間に爆音が轟く。
衝撃波を発生させ、相手を遠くへ吹き飛ばした。
遺体は数回地面に当たった後、宙返りをして着地した。
「私に考えがあります。皆さんは遺体の四肢にバインドを掛けて下さい。グレースさんは…」
「分かったわ。みんな、バインドで相手を拘束して!!私はティアナちゃんを補佐する!!」
するとグレースはバリアジャケットを解除し待機モードの簡易デバイスをポケットに入れた。
そして、銀の天使の装飾に赤の宝石が付いた、ネックレス型のデバイスを右手で包み込んだ。
「ピースウイング……来て…」
「Yes,my master.」
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 2 作家名:神威