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愛してるよ アル。 (『vivi』パロディー)

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刻々と時間は過ぎて行った。
アメリカから手を離し、外を眺める。
窓から見える風景は悲惨なものだ。
「どうだい…?素敵だろう。」
恋人が苦笑しながら窓に手を掛ける。
「これが俺の最後なんだ。よくここまで持ってくれたよね。」
灰色の景色、形が残った建物は少ない。

絶えない破壊音。

耳を塞ぎたくなる悲鳴。

ニュースの雑音。

瓦礫の山、歩きづらいに違いない。


「国民は全員居なくなっちゃったかな。子供一人の姿もありゃしない」
一人でずっと話し続ける愛しい人。
虚勢を張った声。
静かに軽く手に触れて、優しく握ってやる。
「……っ…HAHA、我慢、してたのになぁ…」
ピクリと反応した瞬間、彼からぽろぽろと雫が溢れた。
俺は何も言えない。
怖かった。
情けなかった。

「…アーサー。」

繋いだ彼の手が離れる。

「愛して…る、よ…darling」

一瞬だけ自分の唇に恋人はキスを落とし、大きな破壊音と供に国家は死滅した。