魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
「お前達は大丈夫か?」
モニターが不揃いに消え、クロノは室内の局員を見渡す。
「な、何とか…」
「大丈夫です」
ぐったりするシャリオに対して、フェイトは冷静に答える。
「しかし、さっきの揺れ……異常な程大きかったですね…」
「もしかして、呂琥海に近づいている証拠かもね。そうでしょ、シャーリーちゃん?」
「は、はい!確かに近いですね」
ティアナ、グレースの会話に急かされ、ずれた眼鏡を直しながらモニターを見つめる。
「恐らく、クラウスの魔力に呼応して次元震が発生したのかもしれない…」
「クラウス…」
「艦長、呂琥海、見えました」
遠方から微かに光が見え、照準がそれに合わさる。
「よし、突入するぞ。全速前進!」
操舵士が発進レバーを前に押す。刹那、艦船が光に包まれ光速化する。
そのまま――光に入っていった。
◇
ブリッツ山岳基地。
隊長室。
室内には、装置保管室に向かった面々が集まっていた。
ミリィは隊長席に腰掛け、他は正面に直立している。
「さて、敵はどう出るか…」
不敵に口元をつり上げ、ミリィは呟く。
その風貌はやはり、美しい。
「当然、進軍してきましょう」
「そうかな?」
「はい?」
レイルの答えに、ミリィは意外にも疑問を返す。
「奴らは機械だが頭脳は人間以上だ。猪ではない」
「私なら突入せず、潜入を試みる…」
「うむ。T‐800の生産も活発化しているし、確率は高いだろう」
「しかし、最近のT‐800は識別が難しいとか…」
「時代がそうさせたのだ。仕方がない」
人間が進化すれば、スカイネットも進化する。
だが、その速さは人を凌駕する。
「言い訳はいりません。迎え討つだけです」
「ふふふっ…そうだな、T‐900。ならば、対策が無ければ向こうから来るのを待てばいい」
「なっ……正気ですか…!?」
目を見開いてクレイヴが問い掛ける。
その姿を見て、ミリィは小さく笑う。
「安心しろ。……負ける気は……しない」
山岳基地第3ゲート。
ゲートは、山脈下部に位置する此処を含み6箇所配置している。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威