魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
「こ、これは…!?」
「カメラが、破壊されていく!?…二佐!!」
「………来たか…!」
「ミリィ二佐、やはり…!」
「あぁ……ターミネーターだ」
基地内にアナウンスと共にアラートが鳴り響く。繰り返し続くそれは、事態の危険度を表していた。
兵士達は武器を取り足取り早く行動する。
《第一級警戒態勢。基地内に侵入者あり。基地内に侵入者あり。敵はターミネーター、T‐800と推測。狙いは『魔法』と断定…》
レイル達フレイヤ本拠地所属の兵士も、慌ただしくなっていく。
その様子は、俯瞰から見れば蟻の大群の如く――。
「第5小隊、整列せよ!」
「同じく第8小隊、整列!」
横隊で集まる兵士達とは別に、T‐900だけは離れて並んでいた。
「これより我らは、敵撃破に向かう。侵入したのは一体と確認されているが、増援もあり得る。出来るだけ武装は十分にしておけ」
「第8小隊は別行動だ。大きく展開し敵を包囲する」
「了解!」
兵士達の敬礼を他所に、T‐900は一人歩き出す。
「何処に行く?」
彼女は振り向こうとしない。
「私が行くべきだ。相手がターミネーターなら尚更…」
「勝手な事を言うな。お前は俺の部下だ、共に行動してもらう」
「………レイル…その命令は…受けられない…」
「待てっ…T‐900!」
彼女の足はレイルから遠ざかり、やがて人混みに紛れ姿は見えなくなった。
「……俺達を庇う為か…。レイル、こう出るのは分かっていたんじゃないか?」
「あぁ…分かっていたさ…」
「ぐわぁぁぁぁ…っ…!!」
機械は容赦なく人間を薙ぎ倒す。
次々と倒れる兵士を踏み越え、機械は前へ進む。
ネームプレートは既に意味はなく、効果もない。
ガドリング砲を軽々と持ち上げ、左右に振る度弾丸の礫が襲う。
今、敵を止める者は――いない。
「撃て撃て撃てーーっ!!奴の動きを止めろーーっ!!」
銃弾は男に直撃するがものともせず、ひたすらガドリング砲を撃ってくる。
全滅しても兵士が途切れないのはある意味脅威となるのだが、男にとっては大して苦にならない。
何もかも、時間の問題だった。
男は更に奥に侵入するが、そのエリアには兵士の姿がなく、静寂に包まれていた。
辺りを見渡しても確認出来ない。
男――ターミネーターは索敵モードを発し、瞳を赤くした。
「今だ!!撃てーーっ!!」
刹那に、伏兵として現れたクレイヴ率いる第8小隊の別動隊が、ターミネーターに銃弾を浴びせる。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威