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魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3

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クレイヴの苦痛の表情を、砲口に集束される光が無情にも追い討ちを掛ける。

光に包まれ、互いの姿が隠れていく。

刹那、壁を突き崩し敵に向かう者が現れる。

不意の右方向からの突撃に、敵は反応出来ていない。

右の掌で頭部を掴み、敵は身体ごと隣のエリアまで押し飛ばされた。

光景の変化に言葉を失う。

無理もない。絶望からの別離が刹那に訪れたのだから、人間の本能としては当然である。

軍服を纏う兵士は、飛ばした相手に目線を変えず佇んでいる。

ポニーテールの金髪からの鋭い眼差しが、敵味方問わず威圧感を受ける。

「二度も……救われたな…」

援軍として、T‐900が駆けつけたのだ。

「皆さん、無事ですか?」

目線を逸らす事なく、ただ――確認の為だけに言う。

「……あぁ。多少の被害は…あったが…大丈夫だ」

悲痛な面影を隠しきれないクレイヴの表情は、己の不甲斐なさを嘆いているように感じられる。

彼女は特に目もくれず、顔色を変えない。

「此処は私に任せてください。貴方達は『魔法』の守備を…」

「……頼む」

苦渋の選択だったが、これ以上の部下の死傷は避けたい。上官として、為すべき事なのだ。

退避する中、一人クレイヴは立ち止まりT‐900を見つめる。

彼女の姿に最早機械としての疑念はなく、人間――そして、仲間として任せられると確信出来る。クレイヴは小さく笑い、その場を後にした。

一人T‐900は佇み、暗闇に潜む相手を見据え窺っていた。

『倒れない』事を前提にするのは戦争において常識だが、相手が機械なら尚更だ。

張り詰めた雰囲気に支配され、ひしひしと殺気が伝わってくる。

暗闇からの一閃。刹那に放たれたプラズマ砲が、T‐900を襲う。

表情を変えず、身体を後ろに倒し躱す。閃光は壁を軽々と破壊し、脆く崩す。

間髪を容れず次エリアから相手の突撃が迫る。

腹部の打撃によって後方に飛ばされ、崩れた壁を通り抜けた。

敵は止まる事なくゆっくりと歩を進める。

身体はT‐900援軍当時から傷はない。あの攻撃を受けて尚無傷なのは、人に恐怖と絶望を植え付ける根源と言ってもいい。

敵が壁からエリアに入る。

エリア内を見渡すと、あらゆる武器が散乱している。どうやら武器庫のようだ。

T‐900を見ると、右腕にバズーカ、左腕にはヘリ用ガトリングを携えバズーカを自身に向け構えていた。

放たれた弾は敵の腹部に直撃、弾ごと飛ばされた。