魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
「申し訳御座いません。余計な事を…」
「構わん。部下の励ましは嫌いではない」
微笑した顔で自分を見つめるミリィに、レイルは頬を赤らめそそくさと向きを変えた。
「隊長っ!!」
兵士の刹那の呼び出しに、レイル、ミリィは咄嗟に振り向く。
「何か聞こえます…!!」
上から微かに耳鳴りに似た音が聞こえてくる。
次第にそれは大きくなり、無視出来ないほどになっていく。
「…ッ!!…待てッ!!…これは……プラズマだ!!」
刹那の爆発と崩壊。
ミリィの発言も虚しく、階段近くの壁が吹き飛んだ。
近くにいた数名の兵士も、紙切れのように四方に吹き飛ぶ。
ピクリとも動かない者や呻き声を上げる者がいる中、上から瓦礫へ降りて来た人物がいた。
ドスンと重く響く音は、空気を緊張へと変えていく。
暗闇ではっきりと見えないが、それが何なのかはおおよその検討は付いている。
視線の先で紅く光る光源が、正体を確かな物とさせた。
現れたのは――T‐850だった。
「クレイヴの報告通りだ。しかし、来るのが早すぎる…。まさか…!?」
無線機に手を当てる。繋げるのはT‐900。
だが応答は無い。ノイズが鳴るだけである。
「……くそッ!!」
「く、来るなーーっ!!」
敵の近くにいる兵士がマシンガンを放つ。
恐怖で闇雲に撃っているだけで、相手は微動だにしない。
「落ち着けッ!!」
レイルの言葉は兵士には届かない。完全にパニック状態に陥っている。
マシーンの赤い視界に兵士が映り、『ENEMY』=『敵』と表示されている。
カチッと音が鳴り弾が尽きた事を知ると、兵士は慌てて予備のマガジンを探し始めた。
刹那、光が集束し兵士に直撃する。プラズマ砲を放ったのだ。
壁に激突しぐったりと座り込んで動かなくなってしまった。
《隊長ッ!!》
レイルの無線機にミラージュの声が入る。
《さっきの爆発音は…!?》
「ああ、マシーンだ。だが心配無用だ。引き続き任務に当たれ」
《し、しかし…!?》
「これ以上、仲間を失いたくない。頼む…」
《………了解》
通信が切れる。
そして、敵は首をゆっくりとレイル達の方へと変えていく。
「何としても……『魔法』だけは死守するのだッ!!」
ミリィの命令で、全ての兵士が一斉に銃弾を敵に浴びせる。
衝撃で少し後退しながらも、前進を止める事は無い。
火花が散りながらも、敵は右手の砲口を扉へと向けた。
「まずい!!扉ごと『魔法』を破壊する気だ!!」
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威