魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
「一か八か…!」
レイルはショットガンに持ち変え、マシーンに向かって走り出した。
「何をする気だッ!?」
「ゼロ距離で砲口に撃ちます!!」
「何ッ!?無茶だ!!」
ミリィが制止するも、レイルは突撃を止めない。
「うおぉぉぉぉォォォッ…!!」
光が集束し始め、それは更に大きくなっていく。
今放たれようとしたその時、敵の頭上の天井がひび割れを起こし崩壊した。
そこから2つの人影が現れ、T‐850を襲う。
1つはクレイヴ――愛刀『蜘蛛切』を砲口に突き刺し暴発を誘う。
そして1つはT‐900――T‐850の後ろに回り、右脚で敵を蹴り飛ばす。
端に飛ばされたT‐850は、蓋をされた砲口からプラズマが漏れ、爆発した。
「ク、クレイヴ……T‐900……!?」
突然の出来事に、レイルは驚きを隠せない。
それを見て、クレイヴは鼻で笑い彼を見据えた。
「どうしたレイル?まさか俺達が死んだと思っていたか?」
「心外ですね」
「あ、いや…そうじゃない。来てくれて助かった、2人共…」
「レイル、まだ奴は止まっていない」
T‐900の視線は、倒れているT‐850を指していた。
右手の砲口が潰れているだけで、さして動作には影響無いように見える。
咄嗟にショットガンを敵に構える。
案の定敵は立ち上がり、刺さったままの刀を引き抜く。そして刀をレイル達目掛けて投げ付けた。
「乱暴だな…」
クレイヴは拳銃を取り出し、刀を撃つ。
その隙に、レイルはショットガンを放ちT‐900は突撃をする。
勢いが弱まった刀の柄を掴み、クレイヴは体勢を整える。
弾が敵に着弾して後ろに軽く跳ね、T‐900の殴打が炸裂する。
床に倒れT‐900が馬乗りになるが、敵の左手に大口径ショットガンが握られていた。
銃口は彼女に向けられ、胸元に弾が撃たれる。
反動で飛ばされ、彼女の体は壁に激突した。
「T‐900!!……ッ…!?」
敵のショットガンがレイルらに向けられる。
行動を制され、動けなくなる。刹那に銃口を収容室の扉に定める。
「まずい!!伏せろ!!」
ミリィが言った直後、敵は弾を放った。弾はセンサーキーに当たり衝撃と共に爆発した。
煙が充満する中、ミリィは屈んだ体勢で扉を見つめる。
無情にも、扉は開いてしまっていた。
「ぐっ…!…キーがいかれたか…!」
センサーキーが火花を散らし破壊されていたのだ。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威