魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
「行かせないッ!!」
ミリィの部下がマシンガンを構え立ち上がる。
しかし、敵の射撃により吹き飛ばされる。
声を上げる事無く、ぐったりと倒れ込んだ。
後ろの動向に気付いたらしく、T‐850はすかさず振り向いた。
しかし、いる筈のレイルとクレイヴがいない。
「こっちだ」
右を向くがそこにはいない。
「此処だ」
下を向くとクレイヴが屈んで刀を構えていた。
刹那、居合い斬りで敵のショットガンを真っ二つにした。
「おい」
敵が前を見ると銃口が眼前を向き、直後に弾丸が撃たれ敵は倒れた。
レイルはショットガンの弾を装填し、T‐900の元へと向かう。
「平気か?」
「異常ありません、レイル」
何時もの変わらない返事に、レイルの表情も綻ぶ。
「………」
クレイヴの視線がレイル達を指す。
「…どうした、クレイヴ?」
「今しかない…」
「えっ?」
「……T‐900、レイルを連れて任務を遂行するんだ…」
「………」
「お前……まさか…!?」
「お前がいないと、彼女が困るだろ?」
「クレイヴ…」
「T‐900……レイルを頼むぞ」
「ふ、ふざけるな!!二佐やクレイヴ、皆を置いて行ける訳ないだろ!!」
その時、ゆらりとT‐850が立ち上がった。
「はッ…!?」
「逃げろ!!」
ミリィが敵を右腕で押し飛ばした。
「二佐…!?」
レイルやクレイヴが驚いているのは別の事だった。
ミリィの右手の義手が無く、その義手がマシーンの首元を掴んでいたのだ。
「切り離しが可能なのだ。そして、爆弾が仕掛けられている」
ミリィの鋭い視線が敵を捉える。
「………!!」
「爆ぜろ!!」
ピッと音が鳴り、義手が大爆発を起こす。
炎の量も凄まじく、敵は再び倒れた。
一同の視線が燃え盛るマシーンに集中する。
「………さて、先程の話だが…」
「自分も残ります!!戦わせてください!!」
「駄目だ。レイル=フォスター、T‐900と共に行くのだ」
「出来ません!!俺だけ逃げるなんて絶対に…ッ…!?」
不意に、刀の柄の先端がレイルの鳩尾を突く。
「……ぐッ……クレイヴ……お前ッ…!?」
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威