魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
「レイル…“逃げる”んじゃない……“始まり”だ…」
「…は…じ……ま………り……」
レイルの意識が完全に途絶えた。
倒れるレイルの体をクレイヴが支える。
「T‐900、頼むぞ」
「………」
「レイルは君の主だ。主を守るのは当然だろ?」
「……そうですね」
レイルを肩で持ち移動を始めるが、全員の視線は燃えるT‐850に釘付けになる。
敵はまた立ち上がる。しかし、服や皮膚は焼け爛れて骨格の姿に変わっていた。
「ふっ…らしくなったじゃないか…」
「俺達が抑える!!君は早く装置へ…!!」
「…ミリィ!」
ミリィが振り向くと、T‐900が彼女にレイルのショットガンを差し伸べていた。
「これを…」
「…すまない………世界を……頼むぞ…」
T‐900は頷き、収容室へ向かう。
敵がゆっくりと歩き出し、詰め寄ってくる。
「行かせんッ!!」
ミリィのショットガンが着弾するも、敵は止まる事は無い。
クレイヴもひたすら拳銃で応戦していた。
扉の前まで来たT‐900だったが、不意に右足首を掴まれる。
「ま…待ってくだ…さい…」
下を向くと、ミリィの部下が這いつくばって見つめていた。
「わ…私と…シェリーの武器を……」
彼女の腕にはショットガン、床にマシンガンと置かれていた。
「貴女の名前は?」
「ラン……アーバイン…です…」
「…ラン、……シェリーと貴女の意思……確かに受けとりました…」
「……良かっ…た………がん…ばっ……て………」
静かに目を閉じ、息を引き取った。
「………」
武器を手に取り、収容室に入っていく。
暗い室内をほのかに碧く照らす――『魔法』こと移転装置がそびえ立っていた。
それを見つめ近づく。取り付けてあるキーボードを操作し、起動を開始する。
光が広がり明るさが増した後、球体状の物体は消滅し、刹那に円柱型の扉が開いた。
「ぐわッ!?」
一方、ミリィ達はT‐850の侵攻を食い止め続けていた。
敵の殴打にショットガンごと防ぐが、ミリィの体は吹き飛んでしまう。
そのまま壁に激突し、床に蹲った。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威