魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
「二佐…!!」
「ゴホッ……グハッ…!!」
「貴様ぁァア!!」
敵に向かって走り出す。
しかし、敵は潰れた砲口を向けていた。
「なっ……!?」
クレイヴの目には、信じられない事が起こっていた。
破壊している筈の砲口が、完全ではないが修復されていたのだ。
「自己修復…!?」
そして刹那に、プラズマ砲を放つ。
屈んでかわしたクレイヴは、近づいて刀を鞘に収めた。
「アーチェス流剣術、一式……」
敵の足元に屈み、居合いの体勢をとる。
「“一閃”!!」
素早い一撃を見舞う。
刀をゆっくりと鞘に収める。
カチンッと音を立てた直後、マシーンの両太股当たりが横にズレ始め、最後には太股を境に真っ二つに斬れた。
床に倒れる胴体に止めを刺そうとするが、敵のプラズマ砲により阻まれる。
しかし放った方向が、運悪く収容室を貫いてしまった。
「!?……しまった…!?」
T‐900の熱関知システムがアラートを示す。
「……!?…何だ…!?」
刹那にプラズマ砲が迫り、室内を光の直線が貫く。
「プラズマ……まだ使えたのか…やはり私も…」
「行くな!!」
T‐900が出入口に向かおうとした時、向こうで屈むミリィがそう叫んだ。
室内から見えるその姿は、コートは脱げ額には一筋の血が垂れていた。
「お前の任務は必ずやり遂げなくてはならない!!必ずだ!!だから…私達を信じろ!!お前と私達は……仲間だ!!」
「………」
「お前は……立派な兵士だ」
ミリィは立ち上がり敵の方へと走っていった。
「……“仲間”…」
T‐900は立ち尽くす。
その単語を聞くと、無意識に思考が巡る。
意味は理解できないが、それを知りたいという探究心が芽生える。
(信じる…か……兎に角、今はレイルを守らなければ…)
振り返り、装置へと歩き出した。
幾度となくプラズマ砲が放たれ室内が崩壊していく中、T‐900は歩を進める。
修復が続いていながらも、T‐850はミリィとクレイヴを苦しめていく。
装置の前に着いたT‐900は、ゆっくりと装置の中に入る。
その時再びプラズマ砲が撃たれ、ボロボロになった収容室の壁が耐えられなくなって崩壊した。
「……!?」
T‐900の姿が、敵の赤い視界に入る。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威