魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
◇
雲一つ無い青空。
澄んだ海原。
穏やかな町並み。
都市郊外の田園地帯に、紅い魔法陣が出現した。
紅く輝くと同時に光が筒状に伸び始め、一瞬の内にフェイトとティアナ、数名のバスター隊員が姿を見せた。
光と共に魔法陣が消滅し、その場に佇む。
「現在13時02分……任務を開始する。各員、魔力サーチを展開するよう…」
空間モニターを見つめながらフェイトが言った。
「此処が呂琥海か…」
辺りを見渡しながらティアナは呟く。
「ティアナ…」
「す、すみません!」
「いや…………綺麗でしょ?この惑星(ほし)?」
青空を見上げるフェイトに、ティアナも釣られるように見上げる。
「青空も…景色も…海も…空気も…全部綺麗…。人々の温かい心に癒される…。だけど…それを脅かそうとする者がいる。私は…許せない。絶対に……クラウスを捕まえる!!」
「そうですね。私もあの時の屈辱がある。…逮捕しましょう…必ず…」
思いに耽っていると、フェイトの前に空間モニターが出て来た。
《フェイトさん、その地点から距離3000の北北東の位置に、例の魔力をキャッチした情報があります》
画面にはシャリオが映っていた。
「分かった、早速行ってみる」
《それと、凱嵐(かいらん)支部から既に局員が向かっているとの事です》
「うん、了解」
モニターが切れる。
『凱嵐支部』――正式は、第81管理局呂琥海支部『凱嵐』である。
首都『琳雪(りんせつ)』にあり、呂琥海全てを統制する場所となっている。
「みんな、行こう」
刹那に、ティアナが空間モニターを操作し始めた。
入力し終わると、画面に
『VOICE INPUT』――
『音声入力』
と表示されていた。
「フライングジェットシステム」
認証して
『FLYING JET SYSTEM F・J・S』
と画面に出た。
直後に、クロスミラージュを介してビームが射出され次第に物体が現れていく。
マンタのような人一人乗れるくらいの広さ形の、噴出口の付いたボートが現れた。
「Complete.」
コアを点滅しながら、クロスミラージュが言った。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威