魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
(“嬢ちゃん”が来て奴の魔力反応が出た時が勝負だ)
どうやら“嬢ちゃん”とは、フェイトを指しているようだ。
親しみを込めて呼んでいるのだが、当の本人はあまり良く思っていないらしい。
「ん?……来たか…」
来禾の発言通り、遠方から魔力反応がキャッチされた。
魔力はクラウスの物では無く、バスターの隊長――フェイトの魔力で他を圧倒する程飛び抜けていた。
やがてフェイト達分隊が到着し、ゆっくりと着地した。
ティアナが機体から降りると、それは瞬時にブレスレット型に変化し彼女の左手首に収まった。
「随分と早い到着だな」
腕を組んで、来禾はフェイト達に近づく。
互いに敬礼をする。
「来禾執務官、お久しぶりです」
「隊を立ち上げたと聞いた時は正直驚いたが、大分様になってきたじゃないか」
「クラウスを逮捕する為に、みんな力を付けましたから…」
「ま、頑張れよ、嬢ちゃん!!」
「その言い方は相変わらずなんですね…」
一時の雑談の後、来禾達は倉庫前に集まる。
「この倉庫に魔力反応があったんですか?」
「ああ。正確には幾つある内の一つだがな。最近反応のあった場所が此処だ」
フェイトと来禾の会話を聞きながら、ティアナは倉庫の扉を開ける。
「呂琥海上の各地を調べたが特に変わった様子も無く、ましてやクラウスの姿も無い。調査は難航するばかりだ」
倉庫の中はこれといって散らかっている訳でも無く、実に素っ気なかった。
クラウスの性格を考えると、多少なり何かのアクションを残す筈だがそれが無い。
疑念を残しつつ、調査を再開する。
クラウディアの操縦室にも、反応を示すセンサーは沈黙を貫いていた。
「もしかしたらハズレだったのかな?」
モニターを見つめながら、溜め息を吐きシャリオが呟く。
「シャーリーちゃん、そのような事は心の中で言うものよ」
「す、すみません!グレースさん!」
室内の雰囲気が落ち込み、諦めようとしていた――その時だった。
高々に、警報音が鳴り響いた。
「……来たか…!?」
前に乗り出しながら、クロノは立ち上がる。
「こ、これは…!?」
「どうした?」
「救難信号です!!クラウスの魔力と重なってキャッチされました!!場所は同じエリアからです!!」
「何処からだ!?」
「フェイトさん達がいるエリアから1000離れた場所です!!」
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威