魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
フェイト達にも反応の報は届いていた。
魔力探査機も反応を示し、警報が鳴りっ放しの状態である。
「シャーリー?」
《はい》
「救難信号の識別は?」
《該当信号無し、アンノウンです》
「アンノウン……もしかしたら、次元漂流者かもしれない…」
『次元漂流者』――次元世界から、管理局を介さず何らかの理由で他世界へ流れ着いた人の事である。
多くは未発見世界からの漂流者が占めているが、その理由は未だ謎に包まれている。
「シャーリー、BEAT第一司令部の八神二佐に通達を。救出次第そちらに保護すると…!」
《しかし…》
《許可する。僕から取り次いでおこう》
クロノの映る空間モニターが重なるように現れる。
「お願いします」
一斉に消え、フェイトはティアナ達を見据える。
「恐らく漂流者がクラウスの襲撃を受けている可能性がある。まず漂流者を救出する事を最優先とする」
「了解!!」
「俺達は市民を避難させなくてはいけない。そっちは任せたぞ」
「はい」
来禾は部下を引き連れ市内へと走っていった。
「私達も急ごう」
静けさに支配された森林地帯。
穏やかな風が優しく撫でる中、それは急に激しさを増す。
落ち葉や小石が土煙と共に舞い、空間から稲妻がほとばしる。
そして刹那に球体状の空間が現れ、その圧力によって周囲の大気が歪んでいた。
やがて球体は、パズルのようにゆっくりと崩れていく。
飛行を続けるフェイト達は、魔力反応エリアを目視出来る場所まで近づいていた。
「あそこだ」
フェイトが呟き加速しようとした時、不意に魔力反応が消える感覚を覚えた。
「え…!?」
一斉に止まり、改めて魔力を探査してみるが一向に反応が無い。完全に消滅したのだ。
「どういう事…!?」
《フェイトさん…》
空間モニターが現れ、シャリオの顔が映る。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威