魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3
「ミリィ二佐、間も無く到着時間です」
報告を受け、女性は間を置いて振り向く。
連なる動きで長髪が優しく靡く。
太陽の光をバックに、女性――ミリィ=ガーランドは報告者を見据える。
「分かった」
薄化粧をしたミリィの顔は、絶世と言って良い程美貌で麗しい印象を与える。
ミリィはこれ以上口にせず、報告者と共に部屋を後にした。
ブリッツ山岳基地屋上。
ヘリポートとして設けた場所に、兵士数人が誘導灯を持ちヘリの到着を待っていた。
気候は快晴ながら、標高の関係で強風までとは言えないが、風が吹き荒れていた。
管制塔の一室で、通信士の男性兵士がビーコンを眺めヘリの捕捉を待つ。
すると、ビーコンの捕捉する音が鳴り響き、通信士は捕捉した物体を確認する。
「Pe‐XD01型ヘリ4機捕捉。隊列を組み、此方に接近中。距離5000」
通信士がそう告げると、隊長と思しき男性は表情を変えず命令を下す。
「よし。そのまま捕捉を続けろ。索敵も怠るな」
「了解っ!!」
通信士全員の掛け声が木霊する。
「……味方のターミネーター…どのような奴だ?」
隊長が小さく呟く。味方であっても、その“固有名詞”は興味をそそられるのだろうか。
5分も経たない内に、隊列を組むヘリが、目視出来るまでの距離に達した。
米粒ほどしか見えないが、確かにヘリの形をしている。
兵士達が忙しなく動くヘリポートに、数人の女性兵士を連れたミリィが到着した。
彼女のみ茶のコートを羽織い、そのデザインは佐官の象徴である銀の羽毛が肩から肩へと付けられていた。
「来たか…」
ヘリを見つめながらミリィはそう言った。
ヘリが徐々に見えてくる。
はっきりと形が見え、4機全てが姿を現す。
《こちらブリッツ山岳基地管制塔。Pe‐XD01型1号機、応答せよ》
レイルが搭乗するヘリの操縦席に、基地からのノイズ混じりの通信が入る。
「こちらPe‐XD01型1号機。受信確認した。どうぞ」
通信機を耳元に付けた男性操縦士が答える。
《着陸許可が下りた。風は少しあるが問題無い。誘導員に従い着陸してくれ。他のヘリにも報告を求む。どうぞ》
「了解。報告次第着陸体勢に入る」
ノイズと共に、通信を遮断する。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 3 作家名:神威