魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4
「………!?」
「………拘束してくれ」
「えっ!?」
銃を床に投げ捨てる。カランと響く音が、静けさを掻き消す。
「このままだと、俺は何を仕出かすか分からない。暴走してしまうかもしれない。だから、俺を拘束してくれ」
「レイルさん…」
「T‐900も銃を捨てろ」
「はい、レイル」
ヴィータの近くに銃を投げ捨てる。
レイルの元にシグナム、T‐900にはヴィータと、両手首にバインドを掛ける。
「主はやて、連れて行きます」
「はやて、すぐに帰って来るからな!」
「………うん…」
元気の無い返事を受け、シグナム達は部屋を出て行った。
静けさに包まれる室内――。
緊張が解けたらしく、不意にはやての脚が震え出し力無くソファーに座った。
「はやてちゃん!?」
「どうしたですか!?」
「シャマル…リイン…」
ゆっくりと後ろを振り向く。
「今になって脚ががくつきよったわ…。あはは…銃って……怖いな…」
「………」
はやての後ろから、シャマルが優しく抱き締める。
リインも、小さい身体をはやてに寄せる。
「はは…は……」
床に置かれた銃が、無情にも光に反射して綺麗に輝いていた。
首都クラナガンを通る高速道路。
多くの車が走行する中、黒のスポーツカーが走る。
車の中には運転するフェイトがいた。
はやてのいるBEAT第一司令部に保護した、次元漂流者を視察する為に向かっている。
平日で日中の道路は比較的空いていて、渋滞になる事はまず無い。
フェイトは空いている車線に移動し前へ進む。
ふと、サイドミラーに目を向けると遠方からバイクに乗る人影が見えた。
乗っているのは男性――。
黒のハーレーにまたがり、サングラスを掛け迷彩服に似た格好をしている。
フェイトの目にはまだ認識出来ない距離にいる。
一瞬気にはなったがすぐに目を反らし正面を向いた。
その時、バイクに乗る男が咄嗟にショットガンを取り出し、フェイトの乗る車に狙いを定めた。
「Sir.」
「分かってる……何かが来る!!」
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4 作家名:神威