魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4
響く発砲音――。
直前に反応し、フェイトは銃弾を躱した。
「この銃声…質量兵器!?それより、私を狙ってる…!?誰が…!?」
再びサイドミラーを見ると、前に見たバイクの男が此方に銃を向けていた。
「さっきのバイクの人…!?」
また発砲し、車の後部を掠る。
「このままじゃ周りを巻き込んでしまう!!廃棄都市に誘き寄せるしかない!!バルディッシュ、最短ルートを出して!!」
「Yes,sir.」
車の上部に緊急ライトを出して、サイレンを鳴らす。
彼女の左側に空間モニターが出現し、廃棄都市に繋がるルートが検索される。
「Shortest route detection.」――
「最短ルート検出」
「よしッ!!そこに移動するッ!!」
進入禁止と書かれた仕切りを突き破り、廃棄道路に入る。
バイクも仕切りを撃ち壊して追随する。
しかし先の道路が途中で断絶されている為、高速から一般道路に向かうには飛び降りるしか無い。
フェイトはハンドルを力一杯握る。
「やるしかないッ!!」
アクセルを思いっ切り踏み、加速する。
刹那、道路を抜けて空中に飛び立った。
フェイトの後ろ髪が浮かび上がり、視線を強張らせる。
スローモーションに映る光景は、道路に着地するまで続く。
そして、強い衝撃を受け着地――ハンドルを左右に切りバランスを取った。
追うバイクも道路から空中に飛び、スローモーションに映る。
衝撃を伴うが難無く着地しそのまま追い掛ける。
「相手も度胸があるようだ!!」
銃弾が炸裂し右に切って躱す。
ショットガンを回転して装填させ、続けて撃つ。だが車はアクセルを踏んで前進させる。
「シャーリー、魔法使用許可の申請をッ!!敵に襲われているッ!!」
突如に空間モニターが現れ、シャリオが映る。
《了解しました!魔法使用許可申請受諾……オールグリーン、許可出ました!》
「それと地上に応援要請ッ!!敵は質量兵器と思しき武器を所持ッ!!現在第3区廃棄都市にて交戦中ッ!!」
《質量兵器!?まさか、以前保護した次元漂流者と何か関係が…!?》
「分からない。けど彼らに聞くべきだ……それがいい…」
《分かりました。八神二佐に通達しておきます!》
モニターが消えた直後、撃たれた銃弾が道路に着弾し衝撃を伴う。
それでも耐えて加速する。
バイクも負けず追う。
廃棄都市に、地鳴りのようにエンジン音が響き渡る。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4 作家名:神威