魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4
周囲を警戒していて、通信らしき行動を取っている。
「キャロ…」
「ん?…あっ、ティアさんだ!!」
エリオの声に反応して正面を見ると、青の管理局の制服を着たティアナがそこにいた。
「ティアさーんッ!!」
「……?…エリオに…キャロ?」
彼らに気付いてティアナが駆け足で近付いていく。
「久し振りじゃない?六課解散以来だから…半年振りね。元気にしてた?」
「はい。前の隊に復隊して楽しくさせて頂いています。階級も上がって気合いも十分です」
「今日は遠征任務の報告でミッドに来たんです」
「きゅるくーッ!!」
フリードがバッグから出て来て、ティアナの周りを羽ばたく。
「あはっ、フリードも久し振り!」
「きゅるくーッ!!」
「髪下ろしたんですね、似合ってますよ」
「ありがと。キャロは髪伸ばしてるのね、可愛いわよ」
「そうですか?えへへ…」
頬を赤らめて髪を弄くる。
「所でティアさんは何故此処に?」
「えぇ、実はクラナガン近郊にいる局員に向けて応援要請があったの。要請したのはフェイトさん。BEAT第3棟部に向かう途中に謎の男に襲われたらしいけど…」
「えッ!?フェイトさんがッ!?」
「それでフェイトさんはッ!?」
驚きと心配の表情(かお)を見せるエリオ達に、ティアナは安心させる為優しく微笑む。
「大丈夫よ、攻防はあったけど怪我はしてないから」
「良かった…」
胸を撫で下ろす姿は、子供である故に可愛く見えた。
「それで犯人を探しているんだけど、見当たらないのよね。黒のハーレーに乗っているって聞いたけど…」
「ハーレーって?」
「大型のバイクの一種だよ」
「第3区廃棄都市に誘き寄せて消えていったらしいから、近い此処にいると思ってね」
辺りを見回しながら言う。
ふと、キャロの視線が遠くの路地に向く。暗くて良く見えないが、僅かな光に反射する“あれ”は、バイクに似ている気がした。
「…?…どうしたの、キャロ?」
「エリオ君、ティアさん…あれってもしかして…?」
キャロの指差す方向を見ると、暗闇の路地の中にホイールらしき影があった。
近付いて確認すると、大型のバイクだった事が判明した。
「これは……ハーレー!?」
「という事は、犯人が乗っていたバイク…!?」
早速ティアナは一斉通信を繋げ、バイクを見つめながら喋り出す。
「こちら次元航行隊ティアナ=ランスター執務官補。クラナガン北部郊外ラッド駅正門側付近にて、犯人が使用したと思しきバイクを発見。フェイト執務官の魔力が微弱にキャッチされたのを踏まえると、まず間違いないかと…」
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4 作家名:神威