魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4
第3棟最上階。
司令室に続く廊下。
司令室の扉の横には、護衛として一人の男性局員が佇む。
廊下を歩くのはシグナム。
向かう先ははやてのいる司令室――。
この廊下にはシグナムと男性局員しかおらず、比較的静かだった。
「あ、シグナム隊長、お疲れ様です」
「ああ……護衛任務、良く勤めているようだな。変わりは無いか?」
「はい、異常ありません」
「八神司令はおいでか?」
「はい、司令室で事務処理をなさっております」
シグナムと男性局員の距離が近くなり、扉前に佇む。
「それと君……」
「……?」
司令室にははやてとリインが、デスクに向かって事務作業をしていた。
あえて言うならば、リインのデスクが身体に合わせて小さいという事だろうか――。
そして、室内にノック音が木霊する。
「どうぞ」
はやてが答えると、空気圧の音を発し扉が開いた。
そこにいたのはシグナムだった。
「失礼します。主はやて、今宜しいでしょうか?」
「シグナム……ええよ、丁度休憩しようと思てたとこやし…」
書類を畳み、側にあるコーヒーを飲む。
扉が閉まると、シグナムははやてのデスクに近付き姿勢を正した。
「それで、用事ってなん?」
「はい。武装隊の準備が整いました。第2、第3班共に出撃可能です」
「うん」
「犯人が乗っていたバイクは地上にいたティアナが発見、現在回収し此方に搬送中です」
「ティアナが?それは良かったです!」
リインがシグナムの近くまで浮かんで来た。だがシグナムは見つめるだけで、これといったアクションはしていない。
「犯人を捜索していますが、上手く隠れているのか見つかりません」
「そやね。捜索範囲を拡大せないかんな…」
「はい、早急な対応が必要です」
「所で、フェイトさんの方は動きありましたですか?」
「いや、あれから特には無い。“フェイト”も現場で検分しているから忙しいんだろう」
「え…?」
「……?」
リインがシグナムの“ある”言葉に疑問に思ったと同時に、はやても引っ掛かったらしくコーヒーカップを持つ手を止めた。
「兎に角、相手は質量兵器を所持している。被害が広がる前に捕まえなくては…」
「………」
「どうしました、主はやて?」
《はやてちゃん…》
《うん…》
念話で通じ、確認し合う。
「…?」
刹那、はやてはストレージデバイス――シュベルトクロイツを起動させ、先端をシグナムに向けた。
作品名:魔法少女リリカルなのは THE MACHINES WAR 4 作家名:神威